Play With Me

てらだりょう

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大脳皮質

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香田さんが凄いのか普通なのかわかんねえけど、真面目に仕事教えてもらいてえ、て思うんだよな。

「俺、直帰するけどお前どうすんの」

言われて時計見れば、もう七時近い。ヤバい、店遅刻する!

俺今極普通にカジュアルなパンツとシャツだし、着替えに帰ってたら間に合わねえっ!

「んじゃ、休めば?ウチでメシ食ってけよ」

ありがたいんですけどおっ!!当欠は罰金がですねっ!!

「あ、もしもーし?」

いや、香田さん!奥さんに電話とかされてもっ!

「お久しぶりでーす!お元気っすか?直樹さん」

はっ!?社長っ!?

「うん、嫁も元気ですよ。ところで、エクストリームの、えっと、お前、源氏名なに?」

「えっ!?ユ、ユウですっ」

「あ、ユウ。今日お休み下さいよ、一緒にメシ食うんで」

な、なに!?この人なに!?

「喜べ、罰金無しで休みもらってやったから」

電話切って普通にそう言ったんだけど、一体なに?

なんなんですか、アナタ!?

「あ、言っとくけど。ウチの嫁、愛想悪いけど気にすんなよ。それから、歳の事には触れんなよ」

ちょっと古いマンションのエレベーターの中で、俺にレクチャーする香田さん。

「歳、ってなんでですか?」

「ああ、俺より一回り年上なんだよ、嫁」

え?うそ。俺とちいさんみてえ。触れるな、って事はやっぱ。

「あの、奥さんが気にするからですか?」

ちいさんも気にするかな。いや、してるかな。

「嫁はなんっも気にしてない。俺が気にするからだよ」

んっと、意味がよくわからないんすけど。

「俺より生きてる年数が長い分、人生の経験値が上だかんな、嫁の方が。歳の事言われると、俺が未熟な人間みてえな気分になるから嫌なんだよ」

俺、そんな事考えた事も無かったや。俺は俺よりもずっと大人なちいさんが好きだから。

「さっちゃーん、帰ったよー!」

玄関のドア開けながら香田さんが言うけど、誰も出てこない。

香田さんについて家ん中上がったら、キッチンに携帯で電話してる女の人。奥さん、だよな。

「Don't be ridiculous!」

あ、なんか英語っぽい。しかも怒ってるっぽい。

「あ、ハンバーグのトマト煮込み。旨そう」

構わずにフライパンの蓋開ける香田さん。

「Fuck you!you've got die!!」

あ、その英語はわかる。やだ、怖いよ、この人。

「Sit!!」

奥さんが電話床に投げたら、すかさず香田さんがキャッチ。

電話切ったら、何事も無かった様に料理する奥さん。

「もお、携帯投げるのはやめようね。また壊れるからね」

香田さんの言葉にも反応しない。黙々と野菜刻んでる。

「さっちゃあん?ただい」

抱きつこうとした香田さんを、奥さんが片足の裏で止める。

「包丁使ってる時にうろちょろすんな。私が怪我したらどうする」

「ごめん、って。もうしません」

奥さんが、やっと俺に気付いた。俺に向けた顔は、そんな香田さんより年上とか思えねえくれえに若くて、綺麗だった。

「あ、あの、お、お邪魔します」

見られてなんか焦る俺。

「はい、いらっしゃい」

微笑まれたんだけど、ぞくっとするくれえに綺麗なんだけど、包丁持ってるせいなのか、綺麗さがあいまって余計に怖かった。




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