Play With Me

大脳皮質

10

俺もさ、頑張ってるよ。実際。

「将来見据えるのは良い事だし、お前にしちゃ上出来だけどな。尊さんにも店にも迷惑かける様な事だけはすんな。かけそうになったら両方とも辞めろ」

とか、龍二さんにも言われてるし。

会社で手が空いた時に営業メールしながら、指名とか同伴確保。ホントはまあ、メールとかしてちゃダメなんだろうけど。

そこんとこは尊さんが大目に見てくれてる。そう言う風にしてくれるから、バイトも手抜けねえな、と思ってるし。

俺も人間変わったな。自分で思ったりして。

だから、俺は手抜いてるつもりはねえんだよ。

だけど。

『ちょっと！高田っ！！アンタなにしてんのよっ！！』

すんごい剣幕でショップの店長から電話来た。

店長の方が年上だし、偉いし、俺今んとこバイトだし。なに怒ってるのか知らねえけど呼び捨てはねえだろ、って。

「お疲れ様でえす。なに、ってなんですかね？」

『なんですかじゃないわよっ！』

この店長は普段からヒステリックなとこあるけど、そこは現役ホストでもある俺。

怒らせねえ様に気は使ってる。

『こないだ移動頼んだ商品、さっき来たけどぜんっぜん違うのが来たわよっ！カットソー頼んだのにワンピ来たじゃないっ！！』

ええ！？マジで！？ウソっ！！

慌ててシステム見て確認したら、商品移動の入力の担当コードは確かに。俺じゃんっ！！

『どうすんのよっ！？お客様今日の夕方いらっしゃるのにっ！！』

ど、どうしよ！？どうしたら良いんだよ！？

「すっ、すみませんっ！！」

『すみませんじゃないわよっ！』

俺が焦ってたら事務のおばさんが電話代ってくれて。

慣れた感じで店長なだめて、別の店舗の在庫調べて手配してくれた。

ブティック、ってある意味ブランドよりもスタッフの信用でお客さん続くんだよ。約束した日にお客さんに商品渡せないとか大問題なんだよ、ショップからしたら。

在庫確認した移動元の店舗に、俺が商品コード間違えて伝えたのか。多分そうなんだろうけど。

「まあ、次は気をつければ良いじゃない。コード間違ってたのか一応調べるから」

事務のおばさんは笑ってくれたけど。

ちゃんとしてるつもりが自分のただの自惚れだとか思ったら。

落ち込んでくる。