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大脳皮質
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しおりを挟む「お疲れっすう…」
事務所のドア開けて頭だけ突っ込んでキョロキョロしたら。
「おう、どうした。ユウ」
ほらな。普段いねえくせにこう言う時に限ってタイミング良くいるんだよ。
「あ、お疲れさまですっ」
「まあ、こっち来い」
社長が手招きする。
「あっ、いやっ!俺ブログの当番なんで…」
軽く拒否ってみるけど、相手社長だしな。
「ああ、そんなもん誰か代わりにやってやれ」
事務所の人が、はい、とか返事する。更新すんの面倒だったから代わりにやってくれるんならそれは良いんだけどさ。
応接セットの革張りのソファー。社長の向い側に座らされる。
「お前コーヒー苦手だったな。おい、コーラでも持って来てやれや」
事務所の人が素早く俺の前にコーラの入ったグラス置く。
「…ユウ、お前女出来たろ」
口つけたコーラ、吹きそうなった。ま、まさか。
「え?いや?あ、あはは…」
ちょっと!心臓がばくばくしてきたよ!
「見た感じも小奇麗になったし、売上が安定して来てるって事は客質も変わったって事だな。それで、お前。良い女か?」
良い女もなにも、ちいさんなんですけど。とか言えねえしっ!
「はは…それは…良い女っすね…」
「ほお。一回見てみてえもんだな」
むっ!無理無理っ!ダメだって!笑顔引きつる俺。
「ま、男が自分を変えてまで一緒にいてえと思える女に出会えたら、そりゃ幸せってもんだよ」
それから社長が。
「アイツ相手にお前がチャラいままだったらコンクリにでも詰めてやりてえとこだったんだがなあ…」
あれ?それって、もしかして。
バレてる?
「本気で惚れたんなら本気貫き通せ。出来なくなったら俺に言え。楽にしてやるし、死体も片付けてやる」
笑いながら言うくせに、俺見てる眼は怖えし。
「俺、楽になりたくねえっすよ」
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「お前のそう言うとこは俺は気に入ってんだよ」
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