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大脳皮質
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しおりを挟むこの先もずうっとちいさんと一緒にいるために。
ちいさんは俺の仕事の事とかあんま気にしてねえみてえ。してたら付き合わねえだろな。
それは俺って言う人間自体を見てくれてるから。あ、それむちゃ嬉しい。
俺仕事嫌いじゃねえし、先の事とかたいして考えてねえんだけど。
稼げなくなるまでこの仕事続けたとして。ま、三十越したらキツいよな。
その後どうしよう。ちいさんと一緒いるのに水商売続ける、てのもなあ。
けど三十近くまで今の仕事して、それから昼間の普通の仕事に再就職、かなりキツいな。
学歴ねえし、資格もねえし、特技もねえし。ついでにバカだし。
「んじゃ、資格でも取りゃいいだろ」
「なんの資格ですかあ?理数系は無理っすよお」
龍二さんと帰り道。俺から誘ってお茶。ってマックかよっ、て言われたけど。
龍二さんは先の事考えてるからな。俺が知らねえ間にインテリアなんちゃらとかの資格取っちゃってるし。ずるい。
「さあなあ?危険物取ればガススタで優遇されんじゃねえか?」
「今更ガススタとか無理」
「じゃあ宅建取って不動産屋」
「むう。宅建て難しい?」
「難しいかもな」
語尾にお前の頭じゃな、て付いてる気がする。
龍二さんはもうちょい金が貯まったら色んな店とかの、く、空間コーディネーター?とかやるらしい。よくわかんね。
「別に俺がやるワケじゃねえよ。知り合いのとこでちょっと修行してある程度やれる様になったら会社創って仕事出来る人間雇う。それにそんなオサレなのじゃなくて要は店舗デザインだ」
「えー?んじゃ俺雇ってよ」
アイスコーヒーのストローくわえてちらっと俺睨む。
「仕事出来る人間、つってるだろが」
もう。可愛い後輩の人生に助け舟出してやろうとか思わねえかな。
こんなに可愛いのに、俺。
「上目遣いすんな。キモい。情だけで給料払ってやろうとか、そんな甘い事あるワケねえだろ」
ちぇ。ばっさり斬られた。
マジで先の事考えるんならなんか仕事覚えんのに昼間バイトしようかな。
んー。それはキツいな。寝る時間がねえ。
こんな事なら俺も人脈作っとけば良かった。今から作るかな。
けどなあ。今の仕事で人脈とか。まともなのが作れる気がしねえ。危ねえ系の人脈ならその気になればいくらでも作れるけどさ。
誰かいねえかな。
俺を可愛がってくれて、一から仕事教えてくれて、給料出してくれる人。
あれ?
なんかいた気がする。
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