Play With Me

アイデンティティ

6

三擦り半、て言葉があるじゃん？

いち、にい、さん、とちょっと。

まさにそうなんだよ。

挿れたらもうすぐ！ダメなんだよお！！

ってか、挿れる前から、もっと前キスの段階ですでに我慢出来なくなってるし。

いや、ちょっとはさ。前に比べりゃ我慢がきくようになったけど。

先にちいさん、気持ち良くなって欲しいから。

けど、だけどもお！

挿れるともうダメ。あっ、て自分で声出しながら制御出来ねえ。しかもゴムつけてんのにっ。

俺はだな、ちいさんに気持ち良くなって欲しいのと同時に。

俺も気持ち良くなりてえんだよおおっ！！

気持ち良いけど。何擦りだろうと気持ち良いけど。

もっと長く気持ち良くなりてえんだよっ！そんでだな。

一体感つうものをだな、感じていてえんだよ。

「お前、なに調べてんだ」

後ろから龍二さんの声。しまった。携帯で、早漏・治療、て検索してんの見られた。

「アホな事調べてないで客にメールでもしろよ」

「アホな事じゃないもんっ！俺マジで悩んでるんすから」

「お前なあ…」

龍二さんが頭抱える。そりゃ、そんなの悩んでる本人にしかわかんねえよ。

「お前、早漏って…何分くれえもつの」

「え？何分てか…えと、二、三回腰振るくらい…」

「はあ？マジでか」

マジだよっ！なにその顔、笑いたきゃ笑えばいいじゃん。俺は真剣に悩んでるんだよ。

「…いや、それは…悪かったな」

「も、良いすから。笑って」

とは言っても笑いこらえる大人の男。

俺は調べるのに忙しいんだよ。俺は早漏なのか、どうやったら治るのか。

病院のサイト見て、治療が出来るのはわかった。要するに先っちょが敏感過ぎるからそれを治すとか。他にも原因がいくつかあるらしくて。

うーん、一回予約して診てもらうかな。俺にとっちゃ切実な問題だからな。

この先ちいさんと付き合っていくためにはだな。そこんとこ、大事なんだよ。

医者や看護士に見られるくれえどってことねえや。

予約のページ開いて名前と時間入力して、送信押そうとしたところで。

「いや、まあ落ち着け」

笑いが収まったらしい龍二さんが俺の肩叩いた。