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オキシトシン
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しおりを挟むいつの間にか。
俺は眠ってたみてえ。眼が覚めたら。
ソファーには俺一人。
ちいさんはどこかな。
水音がする。キッチンにいるのかな。
「いてっ」
勢いつけて立ち上がったら左足に痛み。
「あたた…」
ソファーの背よっかかって。杖、面倒なんだよな。
左足引き摺りながらキッチン行ったら良い匂いする。なに作ってんのかな。
ちいさんが振り向いてちょっと笑う。
良いな、良いな。こんな感じ超良いな。なんかマジ同棲っぽくねえ?
彼女がキッチンで俺のために料理作っててにっこり笑って俺見る。
うわあああああ!
なんて憧れの光景っっ!!
思わず背中から抱き付いたら。
「ちょっと!危ないでしょ」
ちいさんに包丁向けられて怯む。
「動けないんなら大人しくしてなさい」
そう言われたからちいさんの足元に座り込んだ。
ちいさんはため息ついて苦笑いしながら俺の頭撫でる。やっぱわんこ扱い?
「ミルクでも飲む?」
「うんっ」
ちいさんが作ってくれるホットミルクは蜂蜜入りで甘いから。
ちいさんが冷蔵庫から牛乳のパック出して。
え?ちょ、なんでお皿に入れるのよ?
「ち、ちいさんっ!?」
それじゃ、俺まったくわんこじゃねえかっ!
ちいさんが手で口押さえながら。
「…冗談に決まってるでしょ」
笑う。良かった、冗談だよな。
ちいさんがそんな冗談とかやるなんて今までそんなイメージ無かったし。
一緒いるとそんなとこが見れて嬉しい。
俺ずっとここにいたいなあ。
怪我が治ってもいちゃダメかなあ?
ちいさんが作ってくれたのはハンバーグで。
やった!肉だ!と思ったら豆腐のハンバーグだった。
ちいさんが食べさせてくれねえかなあ、とか思ってたら。
「手は動かせるんだから自分で食べられるでしょ」
言われちゃったよ。
けどさあ?足怪我してるからさあ?
「お風呂くらい一人で入れるでしょ。ああ、これパジャマね」
って。そりゃ一人で入れるけどさ。
足の怪我のとこ濡れねえ様にビニールで包んでシャワー浴びながら。
パジャマって、俺のパジャマだよな。パジャマ用意されてるってことはこの先も泊まりに来て良いって事だよな?
うわ!わわわ!
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