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オキシトシン
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しおりを挟むちいさんのキスはすんげ気持ち良い。
ふっくらした唇が柔らかくて。
俺の舌にちいさんが絡まる。
優しくてうっとりしてとろとろになる。
俺はもう、それだけで感じちゃって。
そりゃもうガチガチなっちゃうんだよ。
脳ミソってさ、手とか足とかに動けって命令出してんだろ?
俺の股間にどんだけ速攻の命令出してんだよって。呆れる。
でもキスしたらそしたら。その先があるからそれをちょっとでも想像しただけでもうイキそうなる。
ああ。なんで俺は我慢出来ねえんだろ。
俺とセックスしてちいさんがイッたことねえよな?男としてどうなんだよ、それ。
なんか方法ねえもんかな。
あ、ヤバい。したくなってきた。
「気持ち悪いな、お前」
眼開けたらすぐ側に龍二さんの顔。
「にやけたりしかめっ面なったり。入院したついでに頭も診てもらえ」
むう。見舞いに来てその言い草。も少し優しくしてよ、怪我人なんだからあ。
俺の怪我はそんな対したこと無え。弾は貫通してるし骨にも当たんなかったし。
「見舞い来るのに手ぶらっすかあ?」
龍二さんはお菓子の一つも持ってきてくれねえ。
「お前食いもんあったら際限無く食うだろ。子豚みてえになったら仕事出来ねえぞ。なにも持って来ねえのは俺の優しさだ」
なにが優しさだよ。彼女には甘いくせに。
確かに動けねえ分食ったら太るからな。松葉杖で仕事するワケにいかねえから、完全に治るまで仕事は休み。
まあ、なんだな。毎月余った金貯金しといて良かった。
「ああ、良いもんがあったわ」
龍二さんがバッグからなんか出して俺に放り投げた。
ん?粉薬?なにこれ。細かい字が書いてある袋の表見たら。
『長イキくん!これであなたも頑張れる』
慌ててもっかい袋の裏見たら、すっぽんエキスやら高麗人参やらなんやら。
なにこれ、長持ちの薬!?
「昨日客がシャレで持ってきたんだが俺必要ねえし」
ちょ、いや、俺は自分の力でですね。うわ、効くのかな。
どのくれえ効くのかな?試すとか、いやそれは。俺は自分の力で。でも長持ちって事はその分俺も気持ち良い時間が長いワケで。
ちいさんと愉しい時間が過ごせるワケで。
「じゃあな」
龍二さんは今から仕事だな。俺はもう一眠りしよかな。
ちいさん来てくれないし。
俺携帯も使えねえからメールも出来ねえし。
すんげえ忙しいんだろうけど。
もう入院して一週間なるのに。ちいさんは来てくれねえ。
会いたくてたまんねえ。
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