Play With Me

ドーパミン

8

俺達が走り出したら。

「おいっ！あっちだっ」

数メートル後ろで騒ぐ声。

なんなんだよっ。

手繋いだままだと走れないから離して。

二人、全力疾走おっ。

後ろ見たらガラ悪そうなのが何人か走ってくる。なにアイツら。

ちいさん、狙われてんのっ！？

あんなヤツらに捕まってたまるかっ。ちいさんは俺が守るっ。

「ぬあああああーーっ」

ちいさんの手引っ張って走る。どこに？

家にっ！いや、悟がつけられてたんなら俺ん家バレてんだよな？

こっ、交番だっ！

コインパーキングが並ぶ路地抜けたら交番がある。よしっ！

「待たんかいっ！」

しまった、正面に新手のガラ悪そのいち、そのに。

後ろには追いかけて来たガラ悪そのさん、そのよん、そのご。

挟まれたぞっ！

ちいさん背中に隠して。むうう。前に二人後ろに三人。

急所しとめればなんとかならなくもねえ。

「そのお姉さんに用があるんだけどな、大人しく渡してくれよボウズ」

ちょっと偉そうなそのいちが偉そうな口聞く。

「渡すか、ボケっ！」

「仕方ねえなあ、子供は叩かれねえと言う事聞かねえか」

ソイツが顎しゃくったら一斉に。

「こらあっ」

て、一斉に来られると困るんだけどおっ！

あわわ！とりあえず廻し蹴りで一人蹴飛ばして二人目延髄っ！

三人目っ！ちいさんに触るな！

「よそ見すんなやっ」

四人目が飛び掛ってくるからええいっ、潜り込んで頭突きだっ。

「ちいさっ」

いつの間に。ちいさんの足元にそのごが転がってる。

ち、ちいさんって、強いのね。

「よっしゃ、あと一人だな」

俺が言ったらそのいちがニヤっと笑う。

なんだよ、その余裕は。

そのいちの手に黒い塊。

おいおい、ロシア製か？それ。