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てらだりょう

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エンドルフィン

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なんだよ。

なに見詰め合ってんだよっ!

「俺はずっとあなたを支えになろうと努力してるつもりです」

手離せっ!

「仕事を離れた時間でもあなたを支えていきたい」

ちいさんのほっぺたから手離せっ!

「悟、私は」

悟が手離した。

「…すみません。困らせたいワケじゃないですから」

俺の方見て。

「しまったな。ちょっと焦ったな…」

ぼそっと言った。

「悟はいつも私の助けになってくれるし、最高のパートナーだと思ってるよ」

「ああ、良いです。俺は無謀な挑戦はしない主義です」

また俺見て。

「お疲れ様です、じゃあ」

帰ってった。ちいさんが俺見て長あいため息。

ついた。

「なんでキミは…」

そんな呆れた顔で見ないでよ。

「だって…ちいさん連絡取れなかったから」

「忙しい時は緊急の電話以外は出ないの」

そりゃ俺は緊急じゃねえけど。

でも俺はすげえ会いたかったし。

「なんでアイツ一緒だったの?」

ちいさんが凄く嫌な顔した。ちいさんにとって俺はそんな事聞ける間柄じゃねえんだ。

「…キミに関係無い」

て言うと思った。

「好きな人が違うヤツといたらなんでか知りたいよっ!」

「食事して家で飲みなおす予定だったの」

ん?ちいさんメシ食っちゃたのっ!?

「もう帰りなさい」

冷たいちいさんの声と。

俺の腹が鳴る音が。

重なった。

「ご飯、食べてないの?」

「ちいさんと一緒行こうと思って…待ってたから」

「…しょうがないわね」

怒った顔。

俺いつもそんな顔ばっかさせちゃう。

俺の事嫌い?

でもちいさんは嫌いって言わねえ。

俺が弟みてえに思えるからなの?

「これくらいしか無いけど」

部屋でちいさんが冷凍のパスタ出してくれた。

「なに」

「隣座りたい」

皿持ってちいさんの隣に移動。

黙ってニュース見るちいさん。

あ、ヤバ。パスタ啜っちゃったよ、下品。

ちいさんにチラ見された。

ちゃんとフォークでくるくるしねえとっ。

ちいさんは。

悟と。

ヤったのかな。

むうっ!?まさか今日、そのつもりだったとかっ!?

うぎゃあっ!嫌だっ、そんなんやだっ!

「ソースついてるわよ」

「んっ」

ちいさんがディッシュで口のまわり拭いてくれた。

そのまま眼が合って。

冷たい事言うのにこんな風に優しかったり。

ちいさんは俺の事どう思ってんの?

キスしようと思ったらちいさんがまたテレビの方見た。

かわされちまったか。

と。そうだよ、プレゼントあったんだよ。

「ちいさん、はいこれ!こないだのお礼!」

「え?ありがとう…」

ちいさんが袋開けて。

まあ、嬉しいっ!ありがとう!

ぎゅーって抱き付く…とか、ねえな。

「ああ…ごめんね。悪いけど気持ちだけいただいとくわね。ありがとう」

ピアス見て言った。なんでえ?

「私アレルギーなのよ」

そんなあっ!せっかくのプレゼントがあっ!

俺のバカあっ!アレルギーじゃアクセつけらんねえじゃんかよっ!

「あ…でも樹脂なのか。なら大丈夫かな」

え?大丈夫なの?

「ありがとう」

ちいさんがにっこりするから。

「ちいさんっ!」

抱き付いてキス。

ちいさん。俺の事嫌いじゃないよね?

俺は弟じゃないよね?

俺の事、好きになってくれる?

俺は、祐輔。だよ。




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