Play With Me

エンドルフィン

2

ちいさんはホントに忙しいみたいで。

俺から連絡しても全然、折り返しも無くて。

さすがに日曜くれえ休みかな。

って、ちいさんのマンションまで来て。

けど部屋の番号押してもインターフォンが鳴るだけ。

ちょっと待ってよ。

エントランスの外の外の階段座って。ちいさんは。

死んだ弟思い出すから俺と会ってくれるの？

俺は代わりなだけ？

ちいさんの中で俺は。そんだけの存在？

あー、雨降ってきたよ。

やだなあ。こんな気分の時に雨なんて。

庇が狭くて濡れちゃう。顔に雨が当たるから。

なんか涙出てくる。

なんでこんな。

悲しくなるんだろ。

陽が暮れて辺りはだんだん暗くなる。

暗くなるにつれて雨が酷くなる。

家出る時。

降るかな？

とは思ったんだ。けど。

ま、いっかあ。傘邪魔だし。

俺っていっつもそうだよな。テキトー。

仕事もテキトーだから龍二さんに怒られる。

バカだし。

九九も覚えてねえし。

あれだよな、もう算数の時点でヤバいもん。

理科とかさあ？体積？なにそれ？

体育は得意だったけどさ。小さい時から空手やらされてたし。

俺の特技ってそんくらい？

なんでもテキトーでホストだって。

尊さんの下についてなかったらすぐ辞めてただろな。

ちいさんは大人で綺麗でよくわかんねえけど仕事も出来て。

俺なんか。

俺みてえなヤツなんか、ホントだったら。

近付く事もねえ世界のひと。

なんでかなあ。珍しくいっぱい考え事したら。

いっぱい涙出てくるよ。

膝抱えて泣くなんてやっぱ俺バカみてえ。

雨の音が凄くて最初気が付かなかった。

「なにしてるの」

ちいさんの声。

顔上げたらちいさんがびっくりした様な。

呆れた様な顔で。

俺見下ろしてた。