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てらだりょう

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ホントならちょっとオシャレなカフェでさ。

お茶しながら語り合う予定だったんだけど。

ああ。カフェでちいさんが俺ににっこり笑いかけてくれる予定だったのにい!

ベンチでティッシュ鼻に詰めて空見る俺。

俺かっこわる。

鼻血止まったかな。

ティッシュとか持ってねえ、て言ったらちいさんがポケットティッシュくれた。

「どう?」

お手洗いに行ってたちいさんが戻って来た。

「うん、もう大丈夫…」

しっかりするんだ、俺!これくれえで落ち込むなっ。

「ご飯行こか」

次は大丈夫だ!ネットで調べたからな。

雰囲気良くて、料理の質も良いってちょっと有名なフレンチ。

メニューがフランス語とか口コミに書いてあったから。

行ってメニュー読めねえとか恥ずかしいから前もって料理もお店の人のおすすめに決めといたからな。

ついでにワインも決めてもらったし。

よっしゃ!ちいさんが俺を見直す時が来た!

と、思ったのに。

「ジビエ?」

ちいさんが眉の間顰める。明らかに困った顔。

なんで?

「そう承っております。本日は良いものが入りましたが」

予約した時お店の人が。

「時価になりますが」

て、言ったからそれすげえなて思って頼んだんだけど。

「…私は肉は食べないの。ジビエは遠慮したいわ」

って、ゆか。

ジビエ、って肉!?なんの肉!?

「それでしたらキンキのブレゼなど如何でしょうか?」

「ええ、それで良いわ」

なんか話決まったらしい。

ちいさん、肉食べないのに。

俺よく聞かないで料理決めたりして。

「ワインの方も違うものがよろしいかと思いますが」

俺に聞かないでよ。

「あ、じゃあそっちで選んで下さい」

ワインなんてわかんねえもん。

「ごめんね、ちいさん…」

落ち込む。

「別に。魚にしたから良いわよ」

「あの…ジビエて。なに?」

「野生の動物の肉」

知らねえで頼むとか、俺恥ずかしい。

俺全然良いとこねえじゃん。

それに。

まわり見たらどの席も上品そうなヤツばっかで。

ちいさんには似合ってんだけど。

俺、ちょっとは大人っぽく見えるように服選んだんだけど。

けどなんか浮いてるし。

止めときゃ良かった。

悲しくなってきた。

「…どうかした?」

「あ、ううん。どうもしてない」

悲し過ぎて笑うのもぎこちなくなる。

ちいさんといっぱいしゃべりてえのに、ため息ばっか出る。

会計して、予算調べといて良かった、て心底思った。

なんか俺、ダメ。

全然キまんねえ。

はあー。

「…一度来たいと思ってたから。来れて良かったわ」

ちいさんがちょっと笑って。

「ごちそうさま。ありがとう」

て言ったから。

ちょっと涙出た。

よし、次はキめるぞ。

なんつってもホテルだかんな。

やるぞおっ!

いや、そう言う意味じゃなくて。実際結果的にそう言う意味だけど。

とにかく。

俺はやるっ!!




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