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伝達信号

4

日曜日。ちいさんがおいで、って言った店は。

ちょっと高そうな寿司屋。

別に回らねえ寿司屋くれえ行った事あるよ。

客とだけど。

店の前で。

Tシャツは無かったかな。

思った。

店入ったらカウンターにちいさんいて。

「こんばんは」

なんでてめえがいんだよ、悟！

ちいさん挟んだ反対側に座った。

「適当に頼みなさい」

「あ、うん」

ちいさんは黒いキャミにシャツはおってて。

キャミの胸元がっ！

とりあえずビール飲んで落ち着こ。

ちいさん、冷酒でガラスのちょこ口にするのが。

なんかかっこいい。

やべえ。どきどきする。

下の方もどきどきなのはひとまず置いといて。

「…なにか頼んだら？」

「あ…えっと…」

頼みたいけどなに頼んで良いんだか。通ぶって玉子とか？

いや、逆に恥ずかしいな。

「この子に適当に握ってあげて」

俺が考えてたら、ちいさんがカウンターの中の板さんに言った。

ちいさんかっこいい。

出てくるのはどれもすんげ旨くて。

「美味しい！」

なんか今まで食った中で一番旨えよ。

「…良かったわね」

ちいさんがちょっと笑った。

早く二人きりになりてえな。

「明日、早朝会議どうするの？」

そうだ、コイツがいたんだ。

「出るワケ無いでしょ。だいたい管轄違うし」

「まあねえ、六時から会議とか俺も嫌だね」

なんでいるんだよ。

てめえがいたら俺とちいさん二人きりになれねえだろ。

邪魔だっ！

「そろそろ本部長に一度報告上げたら？」

「まだ早い。確実に詰められるほどの段階じゃ無い」

「あなたの主義はわかるんだけど。俺が怒られるんだよなあ。本部長、ちいさんに直接言えないから俺に言ってくるんですよ」

「悟が怒られて済むならそれで良いじゃない」

「ひどいなあ」

仲良さそうにしやがって。仕事の話なんだろうけどさ。

「ま、ルートの方はだいぶ絞れてきたけど」

「悟が出来る子で頼もしいよ」

「また口ばっか。そう思うんならデートでもしてくれると嬉しいんですけど？」

なにっ！？

「はは…考えとくよ」

やだ！考えないでよっ！

「じゃ俺戻ります。気になる事あるんで」

「気になる事？」

「大した事じゃないですよ。ネットの通信記録出してもらう様に頼んどいたのが上がってきてるはずなんで、それ見に戻るだけです」

帰れっ、お前は消えろ！

「そう。ご苦労様」

「じゃ、また明日」

悟が立ち上がって。

ちいさんのほっぺたに。

またキス、しやがった。

「なんなの」

「うん、俺もヤキモチ妬いたりするんですよ」

「バカじゃない？」

「あはは、そうかもね」

悟が俺見て笑って。

店出てった。

むきーっ！