4 / 151
恋愛脳
3
しおりを挟む「最近どうなんだ?」
「どう、てなにが?」
「男とか仕事とか」
「男は適当。仕事は順調」
二人の話、にこにこしながら聞いてる俺。
だってさあ、社長がさあ?
ずっとしゃべってんだもん。俺、いる意味なくね?
社長がほとんど一人でしゃべってるけど。
話聞きながら。
ちいさんの名前はちづるで、俺より十歳上ってのはわかった。
ちいさんがバッグからタバコ出した。
お。やっと俺の仕事。
タバコ、口にした瞬間にすかさずライター。
ちいさんが俺見た。
ちょっとだけ眼が合って。
どっきりした。
なんかわかんねえけど。
怒られてる気分なったから。
なんとなく笑ってみたら、ちいさんがちょっと笑った。
俺の事バカだと思ってんだろうな。
まあ、バカだけどさ。
「ちい」
社長がにこにこしながら。
「ソイツ、気に入ったか?」
え、俺の事!?
「え…ああ、可愛いんじゃない?」
ちいさんが別にどうでもよさ気に答えた。
気に入るもなにもさ、さっきからしゃべりもしてねえっつうの!
けど社長はにこにこして。
「そうか」
嬉しそうにした。
いいのかなあ。
俺、座ってるだけなのにさ。
社長が満足そうだからいいのかな。
社長の愛人なんてどう扱ったらいいかわかんなかったけど。
黙って座ってるだけでいいなら楽だな。
「ユウ、ちょっと来い」
社長が席立って呼ぶからカウンターんとこまでついてった。
「アレはな、昔から俺の大事な女なんだよ」
「あ、すげえ綺麗な人っすね」
社長が俺の肩腕まわして。
「アイツ愉しませてやってくれよ」
ちょっと真面目な顔で。
俺に言った。
楽しませるもなにも。
ずっと社長がしゃべってるし、俺出番ねえ感じだし。
いつものノリでいいんならいいけど。
社長の愛人に変な事言って怒らせんのやだなあ。
でも話合いそうにねえしなあ。
なに話していいかわかんねえし、ぜってー共通の話題なんて無さそう。
どうしよ。
「俺はアイツに手え出せないんだよ」
ん?どゆ事?
「今は女房もいるし、尚更出せないんだよ 」
愛人じゃねえのか?
「ちいはお前気に入ったみたいだし」
いやいやいや、無いって!
「俺の代わりに愉しませてやれ」
た、たのしむって、そっち!?
「頼んだぞ」
手にメモ握らされて。
開いてみたら。
ちいさんの電話番号とアドレス。
社長命令ならしょうがねえか。
ちょっと相手すりゃあ。
いいだけだよな。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン幼馴染に処女喪失お願いしたら実は私にベタ惚れでした
sae
恋愛
彼氏もいたことがない奥手で自信のない未だ処女の環奈(かんな)と、隣に住むヤリチンモテ男子の南朋(なお)の大学生幼馴染が長い間すれ違ってようやくイチャイチャ仲良しこよしになれた話。
※会話文、脳内会話多め
※R-18描写、直接的表現有りなので苦手な方はスルーしてください
Promise Ring
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
浅井夕海、OL。
下請け会社の社長、多賀谷さんを社長室に案内する際、ふたりっきりのエレベーターで突然、うなじにキスされました。
若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン、そんな多賀谷社長が地味で無表情な私なんか相手にするはずなくて。
なのに次きたとき、やっぱりふたりっきりのエレベーターで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる