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しおりを挟む「あれ?龍二さん引っ越すの?」
人の携帯画面覗くな、ボケ。
「考えてるとこだ。ユウ、お前不動産屋に知り合いとかいねえか」
「うーん?まともなのいたかなあ?」
携帯で不動産のサイト見てもいまいちぴんと来ねえな。
今の部屋ワンルームだし、ちゃんと一緒住むならもうちょい広い方が良い。
問題はあのクソ兄貴からどう離すか。
兄貴のバカさ加減を莉緒に話せば。
ブラコンのアイツならショック受けるだろうし、それはかわいそうだしな。
結婚を前提にして同棲。
て、なんだそりゃ。ウソくせえな。
いっその事、既成事実て手もあるが。
莉緒の目標潰すワケにはいかねえしな。
莉緒が穏便に兄貴んとこ出て極力兄貴と関わらねえでいられる様に。
こんな事で結婚だとかは考えたくねえし。
「あ、サンキュー兄ちゃん」
ユウがどっか電話して。
「ウチの兄貴の同級生が表通りの不動産家にいるって。明日一緒行きます?」
次の日、ユウと待ち合わせして。ちょっとメシ食って。
夕方、莉緒の仕事終わる時間。
「どしたんすか?」
「うん…」
いつもなら終わった、ってメール入るのに。
なんで今日ねえかな。
なんか嫌な感じだな。電話してみたら。
出ねえ。バイブで気付かねえのかな。
「あれっ?莉緒ちゃん!」
なんだって?
「と、バカ兄貴!」
「どこだっ!?」
ユウが指す方向に二人はもう見えねえで。
「…なんかヤバくねえすか?」
「行ってくるわ」
「俺も行きます」
莉緒達が消えた方に二人で走った。
バカ兄妹がっ!
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