Think about you

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いつも通り眼が覚めて。

なんかすっきりしねえ。

俺は寝覚めは良いんだが。頭がすっきりしねえ。

なんか嫌な気分が残ってる。

「…くそっ」

頭掻きむしる。

ベッドから出て寝る前に放り投げた携帯拾う。

開いてディスプレイ見てもなんの着信もねえ。

メールは何件か。

友達からどうでも良いメール。

莉緒のはねえ。

なんだアイツ。ムカつく。

腹が鳴る。

なんか食わねえとな。

冷蔵庫開けて。莉緒が作ったもんしか入ってねえ。

くそムカつく。

傷むと捨てたりすんのが面倒だからな。

仕方なく食うんだからな。

片付けて風呂入って。

客に営業やって。

もう時間だからそろそろ出ねえと。

いつも電話切る時に。

明日も電話してくれる？

言うくせに。

俺は知らねえからな。

俺からなんて絶対。

しねえからな。

「龍二さんも意地っ張りだなあ」

ユウがにやける。なんだ、てめえ。

俺達がケンカしてんのが楽しいのかよ。

「俺が悪いワケじゃねえ」

「またあ、もう。俺が悪かったよお、ごめんねえって。悪くなくても言ってあげりゃあおさまるでしょ？」

「なんで悪くねえのに謝るんだ。出来るか、そんな事」

俺は悪くねえからな。

兄貴の事だって莉緒が知ったら傷付くかもしんねえ、って。

心配だから黙っててやってるんだ。

「バカ兄貴って、なんかヤバい事やってんですか？」

ヤバくはねえんだけどな。

「莉緒の話聞いた限りじゃ多分、デリやってんな」

「マジっすかあ？」

「スタッフが女ばっかで客の電話受けてスタッフの送迎する仕事」

「あー、ね。そりゃあ、莉緒ちゃんが知ったらかわいそうかも」

だろうが。

言わねえでいるのは俺がアイツの事考えてやってるからだ。

それをアイツは俺を悪者みてえに。

「まあ、わかるけどお。あんまこじらすと仲直り出来なくなっちゃいますよ？」

アイツが一言、言えば良いんだ。

「ケンカもたまには良いけどさあ。別れたくはねえっしょ？」

別れるとか。

そこまでは。

ただムカつくから。

莉緒、お前はどうなんだよ。

なんか言って来いよ、バカ。

仕事中手が空いたから携帯見たら。

メール。

ご飯ちゃんと食べた？

バカ。

多分何事も無かった様にするために、なんて送るか考えたんだろうな。

まったくお前は可愛い事しやがって。

食った。

て、一言返そうとして。

食った。旨かった。

書き直して。

送った。