Think about you

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「ねえねえ、行ってらっしゃいのちゅーとかするんですか？」

「うっせえんだよ、お前は」

相変わらず俺と莉緒の事ちゃかしやがるユウ。

「うわあ、なに！やっぱしてんのっ！？龍二さんがっ！？」

「黙りやがれっ」

蹴り入れたら避けれられた。

平日の大通り二人でふざけながら歩く。

店も暇で。

キャバの客から頼まれたから顔出しに行く。

お互い指名取ってなんぼだからな。

たまにはこっちも金遣ってやらねえとな。

店行くと俺達の他は何組かだけ。

「来てくれて助かったあ！ありがとうっ」

抱き付かれた。

「良いよ。お互い様だしね」

さすがに。

ボトルは入れたくねえから、適当にビール。

はっきり言って裏事情わかってっからな。

水割りなんか頼むととんでもねえ安酒だし。悪酔いするだけだ。

ビールとか梅酒あたりが無難。

女と話しながら回りなんとなく見たら。

客の男に肩抱かれて。

身体密着させてるキャバ嬢。

まあ、接客なんてそんなもんだが。

脚に手置かれながら。俺らは逆に手握ったりするけど。

俺らの場合は客が喜ぶ。

けど嬢はな。

莉緒の事が頭に浮かぶ。

アイツは多分、逃げ方もわかんねえでへらへらしてるだけなんだろうな。

やっぱ。

向いてねえよな。

休みの日、寝転んで携帯弄る莉緒。

「莉緒、ちょっと来い」

ソファーで呼んだら素直に俺の隣座る。

「なに？」

肩抱いて。

莉緒の太股片手で触る。

「えっ、なに？」

真っ赤なる莉緒。

そのまま少し顔近付けたら、眼閉じる。

「バカ」

「へっ！？」

「びっくりしてんじゃねえよ。お前、店で客にこんな風にされた事あるんじゃねえのか」

「あ、いやまあ、それは…」

「そう言う時どうしてる」

「いや、それは…どうもしてない」

そうだろうと思った。

コイツの事だから客のなすがままで。まさかと思うが。

「お前触られたりしてねえだろうな」

「いっ、いやあ？」

俺から眼逸らす。

コイツ。

触られやがって。バカ。

なんでもっと上手くやれねえかな。

俺以外に触られんな。

ムカつく。

って。俺はなに考えてんだ。

仕事なんだし。

俺だって客の手握ったり肩抱いたりしてんじゃねえか。

俺はホストで莉緒はキャバ嬢なんだから。

仕事だから。

ただコイツが下手くそだから。

水商売向いてねえし。

肩抱いたまま首筋に唇付ける。

「んっ…」

「客にこんな事されてねえだろうな」

「なっ、ないっ！」

「じゃ逃げてみろよ」

俺の肩押して抵抗する。

「お前、ホント客のあしらい方下手くそなんだろうな」

「あ、いや…でも胸触られたりは無いし」

「当たり前だ、バカ！」

俺以外の男に触らせてどうすんだ。

イラつく。

そのままソファーに身体倒して。

こんな感情はなんだ。

コイツが仕事とは言え他の男に触られるのは面白くねえ。

これが嫉妬。

ってヤツかな。