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しおりを挟む「今日来てくれるの?俺も会いたいなって思ってたんだ。うん、待ってるから」
寝起きからのこまめな営業で。
今日の指名予定、二人確保。
どうすっかな。同伴入れて三人だが。
あんま指名被り過ぎるとな。
敢えて被らせることもあるが、俺はキャラ的にバタつくような接客はしねえ。
新規の客もそろそろ欲しいとこだしな。一見の客につく時間も欲しいとこではある。
少し指名は抑えとくか。
バカは床に寝そべって携帯弄ってる。
営業メールしてんのか。
と。思ったらゲームしてやがる。
「…お前、客に営業しねえのか?」
「うん?メールきたら返してるよ」
「…電話は」
「かかってきたら出てるよ」
「かけたりしねえのか?」
「こっちからかけたらお金かかるじゃん。兵藤くんいつもお客さんに電話して凄いよね」
こめかみグリグリ。
「いだっ!なんでっ!」
「ハイ、お前の職業はなんですかあ?」
「いでででっ!きゃっキャバ嬢れすっ!」
「水商売なめてんのか」
グリグリ。
「やっ!すいませんっ!」
「お前な…」
「はい…」
踞って涙目でこめかみ揉むバカ。
「一日指名どんくらいだ」
「うーん…一日て言うか。一週間で四人か、そのくらい」
「同伴は」
「月に一回…?」
頭痛くなるな。
「お前なんでキャバやってんだよ」
「うーん、会社潰れて仕事無くて。駅前でお金稼げるからって声かけられたから」
スカウトか。
「でも最初は日給良かったんだけど。時給になってから給料あんま良くない」
唇突き出して不満漏らす。
スカウトしたヤツもスカウトバック無くて頭痛えだろうな。
「あのな石倉。入ってすぐは客持って無いから店も保証給出すんだよ。その間に客掴めって事なんだぞ?」
「へ?」
「保証期間過ぎたら自分で客呼べっつう事だ。指名やら同伴やらで稼げっつうハナシなんだよ」
「し…知らなかった…」
バカがうなだれて。
ため息ついた。
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