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I'll make love to you

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みいくんが幼稚園に入った。

入園式はそりゃあ、大変だった。

入園試験も、親の面接とか大変だったけどな。

みいくんはスクールのおかげで先生と一緒に数は言える。数としての認識じゃなくて、言葉としての認識しかねえけど。英語のお歌も歌える。英語じゃなくて、英語っぽい音を言ってるだけだけど。

面接はあれこれ聞かれたけど、地場じゃ名の通ったアパレルの専務の父親と、小説家の母親なんだから、家庭環境は文句言わせねえよ。

でもそう言う事より。

「お子さんにどんな子に育ってほしいと考えていますか?」

要約するとそう言う事聞かれてたんだけど。

あれこれ、みいくんにこうなってほしい、とか思うけど。

毎日が幸せであること。

それを守るのが俺の役目。

ともかく、試験は合格して、晴れて入園式。

二宮のお父さんはビデオ係。

お母さんには、ウチのブランドのスーツプレゼントした。みのりさんが。

「ここぞとばかりに、変な色の服探して買ってくるぞ」

とか言うから、ベージュのスーツにした。

俺はカメラ係。

広いプレイルームに椅子並べて、その中に座ってるみいくん。

小さいブレザーと膝丈のズボンは見てるだけでも可愛いのに、着せたらもっと可愛かった。ブレザーと同じ色のベレー帽かぶったらなお更可愛い。

元気に行進したりして。

あのみいくんが幼稚園だなんて、感動して涙が滲んでくる。

女の子と手繋いでにこにこしてる。

たまたま、隣にいたのが女の子だったからな。

幼稚園は園バスがあるから、ウチのすぐ近くまで来てくれる。それくれえなら問題ないだろう。

週に二回のお弁当の日は、俺が腕によりをかけて、栄養満点のお弁当を作る。

「みちるくんのお母さんはお仕事しながら、いつも凄いお弁当ですね、って先生に毎回言われる…いつまで隠し通せるやら…」

みのりさんが言うけどそれでも、俺はお弁当を作る!

毎日、仕事終わって家に帰ると、みいくんとみのりさんがリビングで遊んでて。

「ただいま、みのりさん」

最近は、ちょっとみいくんの前ではディープはしてない。真似されると怖いからな。

「こりぇは、みゅきちゃん。こりぇは、ゆいちゃん。こりぇはみなちゃん」

なんか、みいくんがぬいぐるみ並べて名前つけてるのか?と思ったら。

「みいくん、幼稚園のお友達かな?」

「そうなのー。みいくん、みんなすきなのー」

「ああ…本格的にこの日が…」

みのりさんが頭抱える。お友達なんだから、好きなんだろ。

ん?なんで男の子の名前が無いんだ?

「みいくんねえ。みんな、かわいいからすきなのー」

俺の息子は、女好きじゃねえっ!!




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