229 / 239
I'll make love to you
29
しおりを挟む「まーま?ねんね?」
みいくんが、白い布団に寝かされたみのりさんを、うさぎさんでぽんぽんする。
「ままー?おはよーよー」
唇にキスする。
ああ、そうだよな。
おはようのキスしたら、みのりさん起きるもんな。だから。
「みのりさん、おはよう」
そう言ってキスしても、起きてくれねえ。
「みのりさん…なんで起きねえんだよ…」
布団の上に俺の涙がぽたぽた落ちる。
俺はみのりさんがいない世界なんて、生きてる意味なんかねえんだよ。
「…尊?」
立ち上がった俺を母さんがぎょっとした顔で見る。
「…俺も死ぬ」
「なに言って…」
「みのりさんがいないのに生きてる甲斐なんかねえっ!俺も今すぐ死ぬ!!」
「尊クン!落ち着いて!」
各務が俺を羽交い絞めしやがるから、離そうともがいた。
「煩えっ!俺も今すぐみのりさんのとこに行くっ!!」
みのりさん!みのりさんっ!!俺が行くから待ってて!
「尊!落ち着きなさい!」
母さんが、平手で俺のほっぺた叩いた。
「尊がいなかったらみいくんはどうなるのっ!!みいくんはみのりちゃんと尊の大事な宝物じゃないのっ!?みのりちゃんが遺してくれたみいくんを立派に育てるのが尊の役目でしょう!?」
母さんに言われて、みいくんを見たら。
まだなにもわかってなくて、みのりさんにうさぎを持たせたり。
こんなに小さいんだから、わかんねえよな。
「みいくん、ママもういないんだよ」
「まま、ねんねよー」
俺はみいくん抱っこして、涙が枯れるまで。
泣いた。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
19
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる