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I'll make love to you
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しおりを挟む「通行量の調査は問題無いっすね。大手百貨店からの流れもありますけど、大人メンズ向けの雑貨なんかも多い地域だし客層的にはこだわり過ぎず子供過ぎずの個性はそれなりに主張したい、って感じっすね。客足は期待できると思います」
香田に任せてた新店舗の調査報告が上がってきた。
前々から考えてたメンズの店舗。
ウチの会社の主力ブランドのメンズ展開を計画して、通行量から他のショップの購買層の調査を香田に頼んでた。
実験的に本店にメンズのコーナー設けたり、ネットショップで販売したりしてみたけど。
まずまず、好調。
予定してるテナントも通り沿い一階で立地も良い。
香田がOKなら俺も問題無い。
「よし。テナント契約進めてくれ。営業の担当は香田が決めてくれて良いよ」
「あー、それなんすけどねえ。ここいらで高田に大人の階段昇ってもらおうかなあ、と」
ユウは買取部で店舗担当じゃねえ。
「店舗と買取掛け持ちは厳しくねえか?アイツ自分の営業でいっぱいだろ」
「新店舗は基本、俺が見ますよ。俺以外にメンズの経験者がいませんしね。でも、新店舗の開店に拘わるのは良い経験になるし、店舗の仕入れもアイツに勉強させねえとなんねえし。掛け持ちっても、それくれえの事出来ねえと、俺の弟子とは言えねえっすよ」
弟子なのかは置いといて、香田のサポートはまあ、勉強になるだろ。
店舗のコーディネートは、任せたいヤツがいるし。
店舗デザインの打ち合わせの日に、会議室に行ったら。
「お久しぶりです。お声かけて頂いてありがとうございます」
らしくなってるじゃねえかよ、龍二。
デザイナー連れて来て、社長っぽくなってる。
龍二んとこのデザイナーが、いくつか基本デザイン案持ってきてたからそれ見ながら打ち合わせ。
「龍二さんが相手でも俺は厳しい事言いますからねっ」
て、ユウが担当者ぶる。
パリのショップの雰囲気が、上手く取り入れられてるデザインが俺としては気に入った。ガラス張りと木枠のファサードで開放感がある。
「俺としては、なんか、もうちょっと開放感が欲しい、って言うか」
「アホか。これ以上開放したらお子様向けのショップみてえになるだろうが。お前、店舗のコーディネートの意味わかってんのか?」
担当者ぶりたいらしいユウに香田がツッコミ入れる。
「とりあえず言ってみただけです…」
ユウの言葉に龍二が頭抱えるから、俺は腹抱えて爆笑して。
まあ、この三人でいた時も面白かったよな。
あの頃に比べたら、それなりに大人になったな、俺達。
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