You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

I'll make love to you

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キスは、好きな人とするもんだ。

俺はそう教える。

しちゃいけない、とかで止めさせると、いけない事だとか思ったら、みいくんがかわいそうだ。

好きな人とするキスが、凄く大事な事だと教えてあげれば良い。

俺がみのりさんにするキスが、どれだけ大切な意味を持ってるのか。

そう言う事をちゃんと教えないで、無闇にダメだと止めさせるのは間違ってる。

だから、結論。

俺は絶対止めない。

言葉の意味が理解出来る様になれば、みいくんもわかるだろうから、そうしたら自然に止めるだろう。

今だけだ。うん、そうだ。ちょっとした愛嬌だ。

俺は初めてキスした時、好きでもなんでもねえのが相手だったからな。

今はただ真似っこでも、大きくなって、好きなひとが出来た時に。

誰かを愛する事の大切さを知って、想いを込めて。

愛してるから、キスしたくなるんだよ。って、そんな風に教えてあげたい。

パパみたいに運命の人と出逢える様に。

考えながら寝てたら。

フェリーに乗ってどこかに行く夢。

ああ、親父と母さんが一緒で、三人で出かけるのはあんま無かったから。

小さい俺がすげえはしゃいでる。これは二、三歳くれえの俺かな。

どこかの島について、バスに乗って山の上まで行って。山の上には花がたくさん咲いてた。

別に公園とかもあるワケじゃなくて、俺は昼メシ食ったら退屈してきて。

広場から少し離れた植え込みの方にてくてく歩いた。

植え込みの陰にしゃがみ込んでスカート捲り上げて、芝生掘り返してる女の子。黙々と手で掘ってるのが面白そうで。

覚えてる。一緒に遊んだんだ。

もう帰る、って言うから俺はまだ遊びたくて。

また遊んで欲しかったから。

俺の両親はケンカする事が多くて、たいてい母さんが親父に文句言って、一度だけ俺の前で泣いてる母さんに親父がキスして。

「尊、これはもう母さんとケンカしないお約束なんだよ」

親父がそう言ったから、俺は大事なお約束はそうやってするんだと思ってて。

「おやくそくね」

小さいみのりさんにキスしたんだ。

なんだ。俺は一番大好きな人と大事なキス、してたんじゃねえか。

おやくそくは、大人になってずっと一緒にいる約束になったんだな。

みいくんにも教えてあげなきゃな。

キスは大事な事だって。