You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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みいくんは外でもよく遊ぶ。

外、と言っても家の庭。フランスから直輸入した、木製のバイクみたいなオモチャはまだちょっと早いかと思ったけど、乗りたがるから腰支えて乗せてあげる。

庭の隅には、俺が作った小さい花壇があるけど。小さいけど、それなりに手入れはしてるんだけど。

みいくんが花引っこ抜いて。

「ままー?どーじょ?」

みのりさんに花渡すところが可愛いから、ま、良いか。

みのりさんべったりのみいくんだけど、絵本だけは俺が読んであげてる。

みのりさんが読むと、感情移入し過ぎてお化けが出るシーンで本気でお化け演じて、みいくんが大泣きしたから。

家で遊んでても充分だと思うけど、そろそろ、お友達は必要だな。

集団にも慣れておかねえと、幼稚園入る時に困るしな。

と、いう話をみのりさんとして、キッズスクールの体験入園する事にした。

幼稚園は私立の行かせたいところが決まってるし、二歳からは幼稚園対策の教室があるし。

日曜日に行ってみたら、十五人くらい赤ちゃんが集まってて。

「あんっきゃあー!うわう!」

集団とか滅多に見ないから、みいくんが大興奮。

後ろで他の父兄と一緒に見ながら、大丈夫かな、って思ったけど。

お歌も上手に手叩いたり、お遊戯も上手に先生の真似したりして、俺はホント、みいくんの成長ぶりに涙が滲むくれえなんだけど。

みのりさんは、にやにや、不気味な笑みを浮かべてる。

みのりさんはこう言う場所とか場面とか、どうも、照れとか気恥ずかしさが勝るからな。オーバーアクションとかが出来ねえタイプだしな。

オモチャで自由遊びしてる時。

「ああ…。息子の将来が見えてしまった…そうやないかと思ってたけど…」

みのりさんが小さい声でぶつぶつ言い始めた。

みいくんは、オモチャの箱の中からオモチャを一つずつ出して。

「あい、どーじょ」

他のお友達に渡してあげる。こんな場所初めてなのに、なんて優しいんだろ。

「どーじょ」

そう言いながら、一回りして。ん?なんか、おかしいな。

オモチャ渡してあげたの、女の子ばっかじゃねえか?

「あああ、止めろ、止めるんだ、息子よ」

またみのりさんがぶつぶつ。

みいくんはまた一回りして、一人の女の子の前に座って。

「止めろ、お気に入りを選ぶな」

みのりさんが言うのと同時にその子のほっぺたにちいちゃい手を添えて。

唇に、キスした。

息子の将来が、心配だ。




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