You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

文字の大きさ
上 下
216 / 240
I'll make love to you

15

しおりを挟む





「たうー?」

「たうじゃないよ、みいくん。パパでしょ」

なんでか、パパって言う言葉をなかなか言わない。

みのりさんが尊、って呼ぶからかも知れねえけど。

パパとママなんだけど俺としてはいつまでも、俺の可愛いみのりさん、でいて欲しいのもあるから名前で呼びたいし、呼んで欲しい。

「で、なんなの?なにがあったの?」

俺が言ったらみのりさんがにやにやしながら、俺の向かい側に少し離れて座った。

「殿!殿の華麗なる御技を御披露下さいませ」

うやうやしくお辞儀するみのりさん。なにごっごだ。

「殿、こちらにおいでませ」

「あうっ、まあまー!」

俺の膝から一回降りて、みいくんはテーブルに掴まり立ちして、みのりさんの方向いて、一人でたっちして。

一歩、二歩、三歩、四歩めでみのりさんの手の中。

みいくんが一人で歩くなんて、ほんのちょっとだけど、あんなにちっちゃかったみいくんが歩くなんて。

俺はもう、言葉にならないくらいに感動して。

みのりさんの膝できゃっきゃ言ってるみいくん見て。

またちょっと感動した。
 
この頃のみいくんは、おしゃべりも活発になった。

「こえー?なにー?」

テーブルの上見てはしゃぐ。

「これはねえ、なにかなあ?」

みのりさんが皿をみいくんの前に置いてあげる。

「はい、これ。なにかなあ?もぐもぐしてみようか」

フォークに一切れ刺して、みいくんに渡すと自分で口に入れる。

「美味しいねえ」

「あんま!おいしいねー」

ねー、のところはみのりさんとみいくん、二人で首かしげるのがお約束。

俺の特製ホットケーキは、みいくんもみのりさんもお気に入り。

みいくんはもう、一人で食べたがるからホットケーキはあらかじめ小さく切ってある。

上手にフォークが刺せなかったりするけど、みのりさんはフォークが刺さるまでのんびり見てる。やっと刺さってみいくんが口に入れたら。

「美味しいねえ」

「しいねー」

また二人で首かしげて笑う。

オモチャも積み木だとか知育オモチャで遊ぶ様になった。

木で出来たトラックのオモチャで、荷台部分が型はめのパズルみてえになってるのでよく遊んでる。

桂木のヤロウがプレゼントだとか言って送ってきたのが気に入らねえが、みいくんがオモチャ気に入ってるからまあ、良しとしてやる。

「ままー!」

みいくんは、たいていはそう言いながらみのりさんの後を追いかける。

歩けるようになったから、行動範囲が広がってちょっと危ねえから階段のとこにはゲート取り付けたり。そしたら。

「おお、ロミオっ!あなたはなぜロミオなのっ」

「やあー!ままっ、こっち!」

階段の上のゲートまで行って、みいくんを下のゲートのとこに置いて、みのりさんが一人シェークスピアごっこしたりしてる。なにしてんだ。

「みいくん、パパとお風呂入ろうねえ」

夜は、俺と一緒に風呂入るみいくん。

ずっとみのりさんが抱っこして連れて来てたけど、歩きたがるから、俺と手繋いで風呂まで歩く。

小さい身体で、ちょこちょこ歩くのが可愛い。

顔とかな、俺の小さい頃の写真とそっくりになってきたんだよな。

母さんと俺も似てるけど、満も俺そっくりで俺の遺伝子ってそんなに強いのかと変に感心してしまう。

「みいくんは、ママが好きですかー?」

とか聞いたら。

「あーいっ!」

元気に手あげる。

「ママはみいくんのママだけど、みのりさんはパパのだからねえ」

「みーきゅんのっ!」

て、わかってるとは思えねえけど、風呂の中でみのりさんの取り合いしてるのは、みのりさんは知らない。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

処理中です...