上 下
207 / 240
I'll make love to you

6

しおりを挟む





みいくんが産まれて、一年。

みいくんが、一歳。

俺の息子が。みのりさんと俺の愛の結晶が。

一歳!!!!!!!!!!!!!

すっげえよな!!

毎日ちゃんと元気でいてくれて、それだけでもありがたいと思うのに、もう一年になるとか。

奇跡だ。

いや、普通に世間に子供はたくさんいるけど。

俺の子供がこの世に産まれてきて、一歳の誕生日迎える。

神様とかわかんねえけど、満は、俺達に与えられた奇跡だと思う。

誰がそうしてくれたか知らねえけど、感謝。俺、今宗教団体に誘われたらついて行きそうだな。危ねえ。

「おや、寿司屋が開店しとる」

みのりさんがみいくん抱っこして、キッチンの様子見に来た。

「あははは!パンダの海苔巻き!!」

俺の渾身の太巻きで爆笑するみのりさん。

みいくんはまだ、食べられねえけど、見て楽しめる方が良いだろうと思って、パンダにしてみた。

他にも鯛の塩焼きとか、イカの明太子和えとか、酒のつまみになりそうなものも用意。

二宮のお父さんと飲むしな。

ケーキは、まだみいくんは食べられないけど、フルーツたっぷりのケーキ。

「いや、一生と一升かけて食うに困らん様に、その縁起は良いとしてなんで草鞋履かせて踏ませにゃいかんのかね。食べ物踏んで縁起良いんかね」

みのりさんがぶつぶつ言いだした。

面倒くさくなってきてるな、これは。みのりさんは、両方の家族で集まったりすると気恥ずかしくなって、それを通り過ぎると面倒になってくる。

「みのりさん、満の行事ごとはちゃんとやってあげなきゃ」

「わかってるよ」

みのりさんがパンダの太巻きかじりながら、リビングに行った。

「アンタ、尊くんにばっかやらせんで自分も手伝うくらいせんかね!」

二宮のお母さんの声がする。

みのりさんが手伝ったら色々と問題があるから、俺は一人の方が良いんだけど。

「まあまあ、みのりちゃんもみいくんみてるし、尊は好きでやってる事だから」

母さんが気を使ってる。

俺はもう、各務の事は気にしてない。と、言うか、母さんがこれから先幸せな気持ちで過ごせるなら、それで良い。

だから、みのりさんに、今日呼んでも良い、っつったけど。

各務はなんだか忙しいらしい。

なんだかんだあったけど、そんな事関係無く、みいくんは無事に一歳になった。

これからも、健やかであります様に。

社長、ってのは社長室でふんぞり返ってりゃ良い、ってもんじゃねえ。

営業が持ってくる案件の色々は、専務の俺の裁量で判断するけど。

会社に関る人件費やら経費やら一切は社長決済。毎週提出される経費と売上報告見て、バランスが悪けりゃ切るとこ判断しねえといけねえし。

設備投資も、物流のシステムなんかはデカい金がかかるから、どっからその金持ってくるかも考えねえとなんねえし。

会社の資産を減らさない為に、運用もしねえとなんねえし。

銀行やら証券やら同業者やらあと、商工会やら。社長が動なねえといけねえ取引先とか、付き合いも多い。

売上を向上させて、頑張ってくれた社員に返す。

母さんは、自分の下で働いてくれる全ての社員の生活を守らねえといけねえ。

自分のミスで会社を危ない場面に晒したんだから、母さんは会社を守るために必死だったと思う。

各務は、会社のためじゃなくて母さんのために。

母さんを守るために、必死だったんだろう。

みのりさんの携帯借りて、各務に電話した。

番号教えてもらって自分の携帯でかけるには、なんとなく抵抗があったから。

各務は最初驚いてたけど。

「俺は息子として、母さんが幸せでいられるなら、それで良い」

それだけ言った。

『…うん。わかったよ。ありがとう」

各務は、それだけ言った。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...