You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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そのじゅうはち

そのじゅうはち-4

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赤ん坊ってのは成長する。生きてるんだから、そりゃする。

順調に離乳食も進み、ますます腕磨く尊。まあ、なんだかんだと毎朝こしらえては。

「ゆっくりで良いからね?食べないからとか汚しちゃうからとか、そんなのあんまり気にしちゃダメだよ?」

同じ事言う。

確かに、気分次第でいっぱい食べたり食べなかったりするし、食べこぼすから服汚れたりとかするけどさ。

そう言う事を気にしすぎると育児ストレスになるから。と、尊。

汚れたら着替えれば良いやん、くらいのあたし。あんまりストレス溜まらんな。

そんな感じでお昼ご飯の後、みいくんのお着替え。

「はあい、終わりましたよお」

「きゃうっ」

抱っこすると膝の上で支えられながらジャンプ。元気がよろしい。

おっと、尿意が。

「みいくん、ちょっとねんねしててね」

息子リビングに寝かせ、ちょっくらトイレへ。

未だ、冷戦状態は続き。各務先生は東京とこっち、行ったり来たり。

「俺、今度テレビの密着でしばらく東京から離れられなくなるんだ。その前に尊クンと一回話したいんだけど」

て、言ってきたが。尊に伝えるタイミングも掴めない。第一、怒るに決まってる。

どうしたもんか。ため息でる。

ん?息子が泣いておる。なんだ?やけに近くで声が聞こえる。

慌ててドア開けたらリビングとトイレの中間くらいで大泣きしてる息子。なにゆえそこにいるのだっ!?もしや!?

息子の移動方法に驚愕。

そして夕方。車の音が聞こえるとともに珍しく玄関で尊迎える。

「…ただいま」

不機嫌な顔で帰宅する尊。もうずっとこんなやから慣れた。

「…あれ?みいくんは?」

あたしの腕が空なのに気付き不思議そうにあたし見て、あたしが指差す方に眼遣る。

「なんであんなとこに置いてるの」

みいくんはリビングのドアの前。怒るでない、父よ。

おもむろにみいくんに向かって。

「みいくん!こっちおいで!」

呼ぶと。

「うっきゃあっ」

雄叫び上げて四つんばいになる息子。ゆっくりではあるが確実に手足動かして進む。

「えっ!?ウソおっ!?」

そうです。はいはい出来る様になりました。

「うわっ、凄いっ!!凄いね、みのりさんっ!みいくんっ!おいでっ」

かなりの時間かけてあたしの足元に到達したみいくんを抱き上げて頬ずりする尊。ちょっと涙眼。たっちしたら泣くかも。

世の中の全ての憂さが晴れたようにご機嫌で晩ご飯作って。みいくん効果で話しても大丈夫かも。

安直に考えて話したら帰宅時の不機嫌さが蘇る。

「…良いよ。どうせ俺も話あるから」

意外な答えにちょっとびっくりする。

これは態度が軟化したのか硬化したのか。しかし、話し合いの場を持つ気になったのは前進か。

と。あたしはまだ楽観的に思った。




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