You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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そのじゅうはち

そのじゅうはち-3

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親と子ってそんなに難しいものかな。

世の中には色んな事情で仲違いしてる親子もいる。

血が繋がってるから無条件でわかり合えるものでも無い。

あたしは極々平凡な、どこにでもある様な普通の家庭で育ったと思う。

口煩いおかんと、仕事から帰ってきて晩酌するのが毎日の楽しみなおとん。

小さい頃は三人でよく一緒に出掛けた。

中学になるくらいの頃はもう友達と一緒の方が多くなったけど。

あたしを怒るのはおかんで。

「もう!お父さん、なんか言ってやって!」

たいてい最後はその言葉で締める。

おとんはビール片手に。

「まあ、もう良いやろ。反省したな?みのり」

あたしの頭ぽんぽんして、終わり。

一回だけ、本気で言い争いした事がある。あたしが、小説家になりたいから会社辞める、って言った時。

「なに夢みたいな事言ってるん!アンタがそんなもんになれるワケないやろっ!」

賞もらっててもおかんからすれば将来どうなるかわからん様な事するより、普通にOLして適当に誰か捕まえていき遅れる前に結婚して、って思ったんやろうけど。

大ゲンカしておかんと何日か口聞かんかった。

おとんは。

「お父さんが定年なったらみのりの事まで食わせてやれんなあ。お母さんと二人で細々、年金暮らしやもんなあ。それでも良いなら好きな様にしなさい」

って、のん気な顔してたけど。

改まって愛情だとか、そんな事考えるのは気恥ずかしいけど。

おとんとおかんの娘で良かった、と思う。

みいくんが産まれて自分が親の立場になって。

こんな風になって欲しいとか、尊なんて幼稚園の事もう考えたりとか、みいくんの将来色々思うけど。

なんでも良いから、毎日幸せであって欲しい。

子供の頃からずっと寂しい思いしてきて、親なんかいらないと言い続けてきた尊。

尊は瞳子さんに愛されなかったと思ってる。

でも、瞳子さんは自分勝手に好きな事やりたいために尊をお祖母さまの家に置きっ放しにしたんだろうか。

女性で、若くして起業するなんて並大抵じゃないのに。

許せないのは世間体が悪いからなのかな。

それとも。

自分が愛されなかったのに、他の人が愛されてるから、なのかな。

ホントは母親でいて欲しかったんじゃないのかな。

その気持ちを自分で受け入れられないから。

苦しいんじゃないかな。




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