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そのじゅうなな
そのじゅうなな-7
しおりを挟む朝は機嫌は良くなったのか、と思いきや。
「ただいま」
帰宅後は一言、言ったきり無言で晩ご飯食べて無言でみいくんお風呂入れて。
会社で瞳子さんと話したのかと思えば。
「仕事の事以外口聞いて無い。話したくも無い」
全開で不機嫌な尊。
可愛いみいくんにも。
「俺が今抱っこしたらみいくんの精神的に良くない」
とか言ってむっつり。
可愛いあたしにも。自分で言うかっ。
「みのりさんはみいくんの事だけ考えてくれたら良いから」
笑顔のひとつも見せず。
朝起きると多少機嫌良くなっててあたしも少し安心するが、会社から帰ってくると超不機嫌。
恐らく、社長と専務と言う間柄仕事の話は避けられず、話したくないのに話さないといけないからムカつくんだろうな。
休まず会社行ってるのは、まあ、良しとしよう。母親の顔見たくないから会社行きたくない、とかそんな事出来んしな。
「あーぷぅっ。ばふっ」
夕食の席で。
「おや、みいくん。これが食べたいのかなあ?」
あたしの箸の先の竜田揚げにやたらと関心示すみいくん。
「ほうれ」
箸で放物線描くと眼で追う息子。そして箸はあたしの口に。
「ざあんねんでしたあ。これはみいくんは食べられましゃえん」
「うっきゃあっ」
なぜか喜ぶ息子。
「もう…二人ともご飯で遊んじゃダメだよ」
顔緩むダンナ。少し和んだらしい。
ちょこっと話して。あたしはこう言うとこを気をつけた方が良いとか後になっていつも思うけど。
「瞳子さんもよくよく考えたんだと思うよ」
つい、思ってる事口にだす。途端に不機嫌になる尊。
「止めてよ、考えたくも無い。気持ち悪い」
「気持ち悪いって…それは言い過ぎやろ」
尊があたしの顔も見ずに。
「みのりさんは他人だからそんな事言えるんだよ」
て、言ったからあたしも。
「なにそれ。そりゃ血は繋がって無いし、どうせ夫婦と言えど他人やけどねっ!」
「俺達の事は関係ないでしょっ。だいたい、みのりさんはお気楽過ぎるんだよ!」
むっかあっ!と来て。なんじゃい、お気楽って。悪かったな、ポジティブ思考でっ。
時ならぬ夫婦ゲンカ。
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