You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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そのじゅうなな

そのじゅうなな-6

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尊は一晩寝て、少しは冷静になったのか。

「じゃあね、みのりさん」

玄関先で毎度のディープキス。

「行ってくるね、みいくん。ママと良い子にして待っててね」

息子とお別れし。

出勤する尊。

結局、夕べは一言も発しないまま。この溺愛する息子の寝顔無言でしばらく見詰めて黙ったまま寝た。

「あーうっばうっ」

我関しない無邪気なみいくん。ま、そりゃそうか。赤ん坊やしな。

うむ。みいくんが大人になってあたしくらいの女の人と恋愛。想像してもピンと来ないが、釈然としないものはある。

例えば、自分の母親で想像してみる。

ウチのおかんと言えば普段はそれいつ買ったんや、みたいなデニムで素っぴんのくせに、いざ出かけるとなるとワケわからん色のワンピやらで厚化粧。

しゃべりだすとオノレはオチの無い芸人か、ってくらいのマシンガントーク。

子育てはとうに終えて今は自分の趣味に金かける。歌舞伎やらな。

見た目も中身もそれなりにおばはん。

それがもし、若い男となにかしらの関係を持ったとしたら。

って、おとんがいるからどうにも想像出来ん。娘が言うのもなんだが、仲良いからな。なんだかんだ言って。

瞳子さんが尊産んだのは二十四歳の時だから、各務先生とは二十四歳差なワケだな。

けど、瞳子さんはアパレルと言う業種のせいも手伝ってるのか。

かなりお若くてらっしゃるし、なによりお美しい。だって、ほうれい線がほとんどわかんないしな。あれはどんなテク使ってんやろな。それは置いといて。

尊みたいな息子がいるとか見えないし。

綺麗なのに、ちょっとお茶目だったりするとこもあるから可愛かったりもするし。

年齢問わず惹かれる男性がいても不思議じゃない。と、思う。

まだまだ、女性として華を咲かせられる人だ。と、思う。

ただ、相手が良くない。

普通に考えて、各務先生じゃなかったとしても。世間から陰口叩かれるだろうな。男女逆ならマシかも知れんが。

瞳子さんは社会的な立場も信用もあるし。最初は各務先生の気持ちに気付かないふりしてたりもしてたし。

やっぱり、悩んだんじゃないかな。

大人として考えるか、一人の女性として考えるか。

全てを賭ける、と言った各務先生。

本気で賭けても良いと思ってるんだろう。

だから生半可な気持ちではないのだろう、と。

だけどもそれが自分の親ならば。

理解出来るかどうか。

許すことが出来るかどうか。難しい。




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