You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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そのじゅうなな

そのじゅうなな-3

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迷宮に入る時は心してかからねば。

アイテムが転がってるのは嬉しいが、意外なとこから雑魚が出てくる。

逃げ場も無いしな。にげる、が使えんかったりするのも多いしな。

途中で思わぬ中級モンスター出てきたりしてさ。倒せたのは良いけど誰かがじわじわHP減る毒にやられたりとか。

雑魚相手にHPやけに消耗してボス戦の時には既にゲージ赤くなってたりとか。

で、しょうもない魔法でやられたりして。ちきしょおおっ!次は武器屋のどくけし買い占めてから来てやるっ!!

眼、見開いて口開けて固まるえろ魔法使い尊。

この魔法使いはレベル高いが、移動の時に乗り物に二人きりで乗ってしまうと襲われる危険があるので移動は常に歩く。

これは氷系の魔法にやられたのであろうか。

ここは勇者みのり様が回復魔法をかけたいとこだが、そっち系の魔法覚えてない。

しかしこのままじゃやられてしまうので、勇者みのり様が一人でモンスターをやっつけるしか。

「ぷーっふうっ」

はっ!いかん。最近ゲームやってないのに。我が子の呟きで現実世界に舞い戻る。

改めて確認しよう。

あたしを真ん中に左側にえろ魔法使い、やなくてダンナ。

右側に義理の母、その隣に変態。二人ちらちら視線交わしながら微笑み合う。

テーブルに遮られて見えはしないが恐らく手は触れ合っているものと思われる。

いきなり。

自己回復した尊が勢い良く立ち上がり、椅子が派手に倒れ、みいくんがびっくりして。

「っぎゃあっ!んぎゃっ」

「はいはい、みいくん。よしよし」

「なっ、なっ!なんだよっ!一体なんなんだよっ!!」

「ぎゃあっ!んぎゃっ!」

「かっ、かかか各務っ!!てめえっ!一体なんのつもりだっ!!」

「んぎゃあおうっ!」

びっくりして泣いたと言うより、尊に対抗して大声出してる感じのみいくん。

「あー、よしよし」

緊張感削ぐあたしののん気な声。しかし。

「前から言ってるでしょ、俺は本気で瞳子さんを愛してる。俺の気持ちが通じたから」

各務先生の言葉にちょっと恥らう瞳子さん。いや、そう言うお顔も意外と可愛らしくて良いんだけども。けども。

「ふっ!ふざけんなあっ!!この変態があっ!!ひっ、人の母親になにしてくれてんだあっ!!」

「だから、尊クン。瞳子さんはキミの母親であっても俺にとっては一人の女性で」

「んっぎゃあっ」

「うるせえっ!ざけんじゃねえぞっ!!」

「あんぎゃあっ」

いつもは華やかに笑う瞳子さんが尊の態度にしゅんとした顔でうつむいて。あたしはなんだかかわいそうに思えて。

「…出てけっ!俺の前から消えろ!!二人とも顔も見たくねえっ!!」

て、瞳子さんと会社で会うやろ。

とかツッコんだら火に油注ぎそうやから黙っとこう。

「尊…」

瞳子さんが悲しそうな顔しながら立ち上がる。

「うるせえっ!!」

背中向ける尊。

一体、なにをどうしたら良いのやら。




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