You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

文字の大きさ
上 下
175 / 240
そのじゅうろく

そのじゅうろく-12

しおりを挟む




自分が完璧な人間だとか。

これっぽっちも思った事は無い。

OLやってた時だって。

「二宮さん、仕事を丁寧にやるのとただ時間かかるのは違うんだよ」

て、怒られてたしな。あたしとしては丁寧に何度も書類の見直しやってたつもりやけどな。

だいたいが営業事務とか向いて無かったし。投稿した小説が入賞したから辞めたけど。

入賞してなくても辞めてた自信あるな。

思えば。会社勤めしながら夜は小説こそこそ書いて。

夜中まで書いて、朝はおかんに叩き起こされて。いつも寝不足やったから自分が作った書類に自信が無い。

だから何度も見直しして、見直す度に気になるとこ直して。

小説書いて無いでちゃんと寝てれば仕事に集中してたかもしれんが、でも小説は書きたいし。

二束のわらじはとうてい履けなかったあたし。

今は名だたる賞も頂いて、職業は小説家です、て言える様にはなった。

けど、未だに他の作家さんとかに比べたら書くペースは遅い方だ。各務先生みたいに。

あの人は変態やけど、仕事では凄い。何本も連載こなしながらいつの間にか書き下ろし出版してたり、そんで書く量が多いから内容が薄いか、と言えば毎回読み手を納得させるものを書く。

しかもこうして仕事放り出して瞳子さんにくっついて行っても大丈夫なほど原稿のストックまである。

世の中には完璧な人はいるものだ。

あたしは一つの話をじっくり煮つめないと書けないと言うのに。

眼の前のみいくんはラトル手にんにゃんにゃ独り言。

もうそろそろおっぱいの時間やし、あたしもご飯の時間。

今日一日、まともに家事も出来ず仕事も出来ず。

ふと、脳内ドリーマーたっくん思い出す。みいくんが大きくなったらあんな風にいつもママ、って言いにくるのかな。

そんであたしはやっぱり家事も仕事もまともに出来なくて。

尊のためになにかしたいのに。

尊がいないとなにも出来なくて。

「ふっ…えっ…く」

なんであたしはこんなにダメなんだろうと。

思う傍から涙が出る。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

拉致られて家事をしてたら、カタギじゃなくなってた?!

satomi
恋愛
肩がぶつかって詰め寄られた杏。謝ったのに、逆ギレをされ殴りかかられたので、正当防衛だよね?と自己確認をし、逆に抑え込んだら、何故か黒塗り高級車で連れて行かれた。……先は西谷組。それからは組員たちからは姐さんと呼ばれるようになった。西谷組のトップは二代目・光輝。杏は西谷組で今後光輝のSP等をすることになった。 が杏は家事が得意だった。組員にも大好評。光輝もいつしか心をよせるように……

処理中です...