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そのじゅうろく
そのじゅうろく-11
しおりを挟む「あーっ、ばうっ」
ラックでご機嫌なみいくん。なんと、お座りが出来る様になった。って、言うか腰がすわったんですがね。
ラックのテーブル部分にラトルとか置いておくと、自分で手伸ばして取る。
そんで、ふりふりしたかと思えば投げつける。
「ひゃーうっ」
拾ってやるとまたふりふり。しばらくふりふりすると、また投げつける。
「っあー」
なんだろね、なんか性格が悪そうな。いや、この天使のような笑顔に裏があるワケ無い。
投げては拾い、投げては拾いの繰り返し。
ラックから降ろして床に座らせとくと転がるか匍匐前進で勝手に移動するし。眼が離せんからやっぱりラックに座らせる。
「みいくん、ママはお仕事するんだよ」
「あーうっ」
返事だけは良いよな。
ラックごと仕事部屋に連れてって、さて、一仕事始めるか。
パソコンに向かって散らばる思考を集中させる。久しぶりのせいか、最初の一文がなかなか浮かんでこない。
息子はんにゃんにゃ言いながらラトルで遊ぶ。集中しようにも、ラトルの鈴の音と息子のんにゃんにゃで乱れる。
ディスプレイ睨みながら。集中する感覚。
ん?なんか臭うな。
「っがあっ!ほんげっ」
ああ。オムツを替えなければ。
オムツ交換して。ゆっくりと思考を深める。
「んっばーっ!あーっうー?」
自分の描く主人公の姿に思いを馳せる。
「うーっう?あーぶっ?」
主人公を動かす最初の一文。
「っぎゃあっ!んがあっ」
む?今度はなんだ?
「はいはい、またオムツかね。おしっこ出たかなあ?」
出てないし。またラックに座らせて。パソコンに向かうとしばらくして。
「んっぎゃあっ」
「はいはい。どしたかな」
「うー」
ラックに向かうと泣き止む。パソコン向くとまた泣く。
むうう。寝るまで待つか。抱っこして、こう言う時に限って寝ない。ようやく寝た息子をラック倒して寝かせて。
あうう。忘れていたが掃除と洗濯をせねば。しかし、赤子が眠るわずかな時間を仕事に充てたい。
久しぶりに仕事するせいか。元々深く思考しないと文章が出てこないんではあるが。
みいくんが寝てる間に、と思うと焦ってしまう。
一行も書けないまま。
「んっぎゃっ」
眼覚ます我が子。おっぱい、ミルク、オムツ。
洗濯はもう乾燥機かけるとして夜までになんとか掃除は終わらせねば。
世の中の連載止めずに育児なさってる他の方は相当器用なのか。
そして世の中の家事と育児と仕事こなしてる主婦の方々は天才的に器用なのか。
自分の不器用さが恨めしく。
これくらいの事が出来ない自分が歯痒く。
「うーあっぶう?」
泣けてくる。
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