You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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そのじゅうろく

そのじゅうろく-8

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一家の大黒柱の口から出た衝撃的な一言。

一体、なにがなんだか。

疲れた顔の尊は寝室にみいくん見に行き。残されたあたし、一人呆然とする。

いや、呆然としとる場合じゃ無いっ。とっ、とりあえず。

妻として何をすれば良いんだ、こう言う場合。

そうだ、ご飯をあっためよう!

えっと?今日は鰤の照り焼きと温野菜のサラダとお味噌汁だったな。

味噌汁あっためて。ん?鰤は鍋に入れるか?って、違うわっ!

照り焼きと味噌汁一緒にしてどうするっ!照り焼きとサラダはレンジじゃっ!

パニクるあたし。

レンジがチンした頃疲れた顔で尊が下りてきた。

愛息子見ても癒されてないのか。

「みいくん、よく寝てた」

にっこりする顔も力無い。食欲無さそうやけど、ご飯は食べねば疲れも取れんし。

「ご飯、食べてっ!」

「うん。ありがとう、みのりさん」

もりもり食べるのだあっ!

けど、やっぱ食欲は無さそうで。

ああ、どうしたら良いのですか。あたしに出来るのはご飯あっためるのと皿洗いくらいしか無い。

「ねえ、みのりさん…」

なんだ!?どうした!?

「みいくん寝てるし、お風呂一緒入ろ?」

って、あたしもう既に入浴後のパジャマ姿なんやけど。

けど、尊が元気出るなら。

「みのりさん、髪洗おうね」

いや、もう一回洗ってるんやけど。

「みのりさんの事だから、自分で洗ったらささっとシャンプーで流すだけでしょ。ちゃんと洗ってあげる」

確かに。自分ですると適当な上に最近はみいくんと一緒に入るから自分の事は更に適当。

あたしの頭からつま先まで洗いなおして満足そうな尊。そう言えば一緒に入るのも久しぶり。

「あー…みいくんお風呂入れる時も幸せだけど、みのりさんと一緒のお風呂はもっと幸せ…」

お湯に浸かって背中からあたし抱き締める尊。

いつもなら怪しい動きする手は大人しくあたしの胸で組まれ。あたしの肩に顎乗せてため息つく。

そんなに疲れてるのかっ!?

「俺はなにがあってもみのりさんとみいくんは守るから」

ぎゅっ、と腕に力入れる。

「絶対、辛い事も悲しい事も無い様に。いつでも幸せな気持ちでいられる様にするのが俺の役目だから」

「尊…」

なにがあったんだ。会社でなにが起こってるんだ。




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