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そのじゅうご
そのじゅうご-4
しおりを挟む『満くん、社内で大人気ですよ。さすが天海先生のお子さんだ、って』
あたしというより尊の遺伝子やけどな。
『僕があちこちで同僚に見せてまわってるんで、お前が父親みたいだな、とか言われたりしまして』
「あはは…」
いつもの低空飛行では無くややトーンが明るい松本氏。
「ほらあ、満くん可愛いんだよお」
とか言いながら写真見せてんのかね。想像出来んな。
いや、ないだろうな。そんな事。
『…それでですね、実は…申し上げにくいんですが』
む?ウチの満になんぞ不満がおありですか。こんなに可愛い我が息子になんの文句があるんだっ。
『婦人雑誌の方の編集から…』
「はあ」
『満くんを今度赤ちゃんモデルに、と話がありまして』
なぬう!?も、も、もモデルだとう!?
『某ブランドとタイアップ記事で機能性と通気性に優れたお母さんと赤ちゃんに優しい洋服、と言うのをやるらしくて』
「は!?そ、それにウチの満をですかっ!?」
なんと、生後半年に満たないのに全国誌のグラビアっ!?
『まあ、僕の方に打診してくれと依頼が来まして。正式な依頼は向こうの編集がしますけど」
「あたたたたた」
『あた?どうされました?どこか痛いんですか、先生?』
痛くないわっ!びっくりしすぎて噛んだだけじゃ。
「そそそそれは…なんとも凄いお話で…」
『丁度赤ちゃんモデル探してたらしいんですが満くんの写真見て、是非、と言い出しまして」
これは、有名私立幼稚園より先に芸能界デビュー!?
もしどっかの事務所が雑誌見て、是非ウチでマネージメントを、とか言って来たりしたら。
どうしよう、いやあたしはステージママにはならんぞ。恥ずかしい。
大きくなったら俳優になったり!?あ、その前に天才子役とかになるのかっ!?
『…先生?聞いてらっしゃいます?』
「あ!はいはい、聞いてます。聞いてます」
半分頭がみいくんの輝かしい将来の妄想に飛んでた。
『一応ですね、ご主人とご相談して頂けますか。先生をメディアに出すのがお嫌いですし、満くんの事もご主人が反対なさるなら僕の方から編集に断りますから』
電話切ってみいくん見たら。
あらあら、よだれでステイがでろでろ。取り替えないとな。
しかし、撮影か。
グラビアだぞ、満。
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