You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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そのじゅうさん

そのじゅうさん-4

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そのまま休んでて良いですよ。て言われたし。

動くどころじゃないし。

尊がずっと髪撫でるから眠くなって。

その間ギャラリーの皆さまの間でなにが起こってたかも知らん。

どのくらいか経って眼が覚めて。

「お部屋に行きましょうね」

車椅子で病室まで移動。

「みのりちゃん!おめでとう、頑張ったね!ねえ、切開した?痛かった?今痛い?」

「先生、お疲れ様でした。母子共に健康で誠におめでとうございます!」

なんでいるんや、アンタら。

「みのりちゃん良かったわあ!ホントよかった!」

瞳子さんに手握られる。

「いやあ、芸能事務所って何歳から履歴書出せるんやろねえ」

「知るかいな。尊君はともかく、半分は家の血やぞ」

後ろついてくるおとんとおかん。

「ああ、そうやった!半分みのりやっ!」

こらあっ!実の娘のねぎらいせんかいっ!

尊がいないなと思ったら病室に先回りしてた。

車椅子からあたし抱き上げて。

「お疲れ様、みのりさん」

ホホエミながらあたしベッドに降ろす。

ん?なんで右手の人差し指に包帯してんだろ。

ま、良いか。

「いやあ、ホント僕も尊クン達みたいな幸せな家庭が…瞳子さん歳の差なんて関係ないでしょう?」

「準一郎くんは冗談がお上手よねえ」

まだやっとるんかい。

ざわつく病室内が静まる。

ドアが開いて。ナースさんの腕に赤ちゃん。

「はい、ママですよお」

渡される赤ちゃんを受け取る手が緊張で震える。

どうにか落とさずに抱っこ。

「おっぱいあげてみましょうか」

「あ…は、はい」

「お前ら見るなあっ!」

男性陣に怒鳴る尊。背中向ける男性陣。

「あ、お父さんは良いです」

おっぱい口に含ませると。

痛えっ!!そんなにがしがし食いつくんじゃないっ!

しかもおっぱいに手がっ!生後何時間のくせにっ。

さすが尊の遺伝子。

「うわあ…飲んでるよ、美味しいのかなあ?」

「…飲んでみたいとか言わんでよ」

言葉詰まらせる尊。言うつもりやったな、コイツ。

ひとしきり飲んで満足したのか。

あたしの腕の中でほげほげ言う赤ちゃん。なんでほげ?

「ところで尊君、名前は決めたんかな?」

おとんの言葉に尊がこの上なくきらきらした笑顔見せた。

ああ、神様。仏様。

どうかこの子に素敵な名前を与えて下さい。

「みちる」

みちる?

「満と書いてみちる。字はちょっと古臭いけど」

尊が照れながら。

「愛で満ちあふれるれる子になってくれます様に。たくさんの愛で満ちて幸せになって、たくさんの人を満たしてあげられる人になります様に…」

愛で満ちる子に。

なります様に。

ありがとう、神様。仏様。




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