You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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タケト先輩が卒業して。

実質的に俺がてっぺん。

大概タケト先輩とアバレまくってたから、他校も俺らの下。俺が一人で歩いててももうケンカ売るヤツとかいねえし。

もう、区をまたいでのデカいケンカとかだから前ほどしょっちゅうは無くなった。

「最近大人しいみたいじゃないか、水原」

その時の担任は野口つって、いつもニコニコしてやる気あんのかねえのかわかんねえヤツで。

すぐ俺の髪くしゃくしゃ撫でる。

筋ばった大きな手で。

「止めろよなあ、せっかく立たせてんのが崩れんだろが」

「ああ、なんかつけてるのか。道理で手がベタつくと思った」

そんな感じで。

他の教師は俺と眼も合わせねえのに担任だからなのか、俺を普通に扱う。

嫌じゃなかったな。

夏休み近くなるといい加減進路考えねえといけなくなってくる。

滅多にしゃべらねえ母さんとは進路の事で言い合いなる。

さすがにな、両親四大出て親父は教授じゃあな。息子が高校くれえ行かねえと体裁悪いしな。

「水原あ、数学十二点は無いだろう」

野口が苦笑いする。俺の成績そんなもんだし。

「高校行かねえでも働けるし」

タケト先輩とかは整備士の資格取れる車屋で働いてるし。

「うん、それも一つの道ではあるんだがなあ」

「別に将来とかどうでも良いし。俺はいつ死んだって構わねえから好きにやるし」

「それは違うぞ、水原」

「親がどうこうとか言うなよ。アイツら間違って俺を産んだんだからな」

野口は急に真面目な顔して。いつもはニコニコしてるくせに。

「違うんだよ、水原。親の事はお前も色々思う事はあるだろうが、産まれてきた以上お前は一人の人間でお前の人生はお前のものだ」

筋ばってゴツゴツした指組む。

「お前はこの先いろんな人に出会う。お前の考え方やもしかしたら生き方を変えてくれる人がいるかも知れない。お前の世界を拡げる為にも高校に行った方が良いと先生は思うぞ?」

俺には難しい事はよくわかんねえんだけど。

「いろんな人と出会って、いつか産まれてきて良かったと思える様になるかも知れない」

そう言う事がもしかしてあるんなら。

高校くらい行っても良いか。

て、なんとか勉強してみた。




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