You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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中学の制服はブレザーだったけど。

「困ったわね。尊はまだ背が伸びそうだし、あんまり大きめに造ると不恰好だし」

その頃160近かったからな。

「伸びたらまた造り直しましょ」

母さんからしても、仕事柄制服とは言え息子が不格好な服着てるのはプライドが許さなかったんだろうな。

制服ってそこそこ金かかんのに。

俺は真新しい制服がなんか嫌で。

入学式の日から気崩してた。

な、もんだから入学した日にゃもう上級生からも教師からも眼付けられる。

入学した次の日にはもうケンカ売られる。

さすがに中学なると相手はケンカ慣れしてっからな。

最初はボコボコにボコられた。

けど負けると悔しいからやり返す。

同学年はシメなきゃなんねえし、上級生はやり返さねえとなんねえし、で入学してからしばらく忙しかった。

そう言うのも夏休み前くれえには落ち着いて、俺は同学年シメちまったし上級生も俺に一目置く様になった。

母さんは相変わらず夜遅い。

俺は金だけは普通のヤツらよりもらってたから。

常にゲーセンいたな。

そのくらいの頃は女知らねえから、プリクラの辺りにいる女いつも見てて。

「あたしはプリクラ撮ったら不細工に写るっ!」

「いーから来な!この涼香様が可愛くしてやるから!」

けど俺ガラ悪いし普通の女は近付いて来るワケねえし。見てるだけ。

夏休みの始め頃。

「キミ可愛いよね。一緒に遊ぼ?」

俺に近付いて来たのは。

二十歳の女子大生だった。

まあな、ガキっても。

男だから、小学校の高学年くれえから女には興味持つ。

好きだのとかじゃなくて。

女の身体。

グラビアの水着くれえで興奮する。

中学くれえだと具体的に女の身体に興味が出る。

要するに、挿れるとどうなんのか。

近付いて来たのはチサって言って。

たまにな、いるんだよな。

童貞好きな女って。チサはそう言う意味じゃ名前の売れてる女で。

こっちからすりゃヤらしてくれりゃいいんだから、声かけられて好都合。

産まれて初めて独り暮らしの女の部屋。

さすがに緊張してガチガチなんだけど、俺もそう言うの悟られんの嫌な性格だから。

冷静なふりすんだけど。

「はい、飲んだ事無いかな?」

缶ビール渡されて。

「あるよ」

チサの手から引ったくって一気に半分くれえごくごく飲んだ。

産まれて初めての酒。

苦くて。喉が熱くなって、ちょっとクラッと来た。

「ホント綺麗な顔してるよね、尊」

母さんとばあ様以外で俺の名前女に呼び捨てされたのも初めてだった。

チサにキスされて。

キスすんのも初めてなのに舌まで入れられて。

自分の口ん中に他人の舌とか、そりゃディープとか知識じゃ知ってんだけどさ。

今からヤるんだな、てドキドキしながら。

キスて気持ち悪い。

頭の隅っこで思った。




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