You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

if

-7-

ばあ様が死んで何年ぶりか家に帰った。

昔親父の書斎だった部屋は、今は母さんの仕事部屋。

俺の部屋は俺がちいさい時のまま。

昔遊んでたオモチャやら絵本やら。

そのままなのがなんだか笑える。

忙しくて手つける暇無かったのか。

それとも置いてきた息子忘れたくねえからか。

そんな事はねえよな。

どっちみちばあ様ん家から俺の荷物運んで。

部屋も様変わりする。

家に戻ってなにが嬉しかったて言えば。

マンガ読める事だったな。

ばあ様はそんなもん読ませてくれなかったから、俺はいつも誰かん家で読んでた。

母さんは夜のうちに次の日の晩メシ作る。

どうせ帰りは遅えから俺はそれを一人で食う。

もしばあ様が死んでなかったら。

俺はずっとばあ様ん家にいたのかな。

晩メシ、レンジであっためながら時々思ったりした。

母さんとはあんましゃべんなかったな。

別にしゃべる事も無かったし。

春休みの時、暇だったから。

「テレビ買ってよ」

て言ったら。

「リビングにあるでしょ」

「部屋でゲームする」

結局、俺はテレビ観るのもゲームするのも自分の部屋で。

家にいる時は部屋から出ねえし。

ますます。

母さんとしゃべらなくなった。