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そのはち
そのはち-3
しおりを挟む恋人達の彼女の方は。
お掃除する。楽しげに。
鼻唄混じりで。
さすがに、洗濯は申し訳ないんで丁重にお断りした。
「なんですか?みのりさん」
おおっと。
仕事部屋のドアの陰から覗いてたの見つかった。
「いや、ははは。なんでもないよ…」
「これ終わったらお昼にしますね」
モップ片付けながら莉緒ちゃんが言った。
そして食卓に並ぶ野菜たっぷりのサンドイッチとスープ。
恋人達の彼女はお料理上手。
うん、やっぱ女の子は家庭的な方がポイント高いよな。
我が身振り返りもせず納得。
お昼ご飯食べてると、恋人達の彼氏が起きてきた。
「おはようございます、みのりさん」
「あ、おはよ。龍二くん」
「おはよ。ご飯食べてね」
「寝起きでこんな食えねえって」
言いながらテーブルにつく。
コーヒー飲む?とか、ミルク?とか甲斐甲斐しい彼女。
なんか尊見てる気分なる。
うん、とか、ああ、とか返す彼氏。
ぶっきらぼうな割りに。
時々眼が合うとちょっと笑ったりして。
彼女もにっこり。
ふむふむ。眼で会話か。ウチは眼が合ったら即キスされるからな。
「…なんですか?みのりさん」
龍二くんに聞かれる。
「いや、別に…」
ガン見しすぎたか。
「すみません、俺風呂借りていいですか?」
食後に龍二くんが言うんで。
「どうぞどうぞ。莉緒ちゃんも一緒入ったら」
あたしの何気無い一言で固まる恋人達。
ん?なんで?
真っ赤な二人見てあたしまで赤くなる。
そ、そうか。ウチは一緒入るの当たり前やけど。
普通は違うか。
けどそんくらいで真っ赤なるなんて。
恋人達には恥じらいも必要、と。
微妙な笑いを残し、龍二くんはお風呂に。
「ば、晩ご飯鶏のトマト煮込みでいいですか?」
莉緒ちゃんが赤いほっぺたのまま。
笑って言った。
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