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そのはち
そのはち-2
しおりを挟む「…っあー…」
龍二くんがでっかいあくび。
「大丈夫?龍二眠い?」
心配そうな莉緒ちゃん。
「寝てないんでしょ?寝なよ。今日も仕事なんでしょ」
「いや、俺は大丈夫です」
大丈夫なワケないやろ。
仕事終わりとは言え朝早くから呼び出されて。
「まあ、まあ。とにかく寝なよ」
客間に無理矢理二人押し込んだら。
「いや、あたしは寝たんで」
莉緒ちゃんが笑った。
お布団ひいてあげたり甲斐甲斐しい莉緒ちゃん。
しばらくして客間の襖そおっと閉めて出て来た。
「龍二くん寝た?」
「あ、はい」
「じゃあ、あたし仕事しよかな」
せっかく尊がいないし、時間気にしないで仕事しよ。
「あ、あたしお洗濯とお掃除しますね」
「え?いいよ、そんなの」
「先輩に家事任されましたから。お昼ご飯出来たら呼びますねっ!」
仕事部屋に押し込まれるあたし。
いくらなんでも。
後輩の彼女に家事任せるとか。
思いながら。自分の家事能力考えてお任せするしかないあたし。
何気無く。
後輩カップルがいつの間にやら。
名前で呼びあってる事に気付く。前は苗字やったのに。
なるほど。二人の間は前と違ってんだろな。
ふむ。初々しさの残る恋人達を眼にして。
恋愛小説でも書いてみよかな。
突如思い付く。
ならば恋人達の日常をだな。
この機会に観察してみよう。
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