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そのなな
そのなな-8
しおりを挟む「みのりさん、おはよう」
朝っぱらから舌入れんなっ。
ん?
眼開けたら薄目開けてる尊と眼が合った。
そのまま見つめ合ってキス。
んんん?
不思議そうな顔で唇離して。
「朝ご飯、プレーンオムレツにしよかな」
あたしの着替え出して。
「…どうしたの、みのりさん?」
どうした。こっちが聞きたい。
「…たっくんは?」
「なにそれ?」
「尊、階段から落ちてたっくんが出てきてっ」
尊がベッド座ってあたしのほっぺた撫でる。
「俺、階段とか落ちてないよ?大丈夫、みのりさん?」
な、なに?
階段落ちてたっくん出てきて。でも階段落ちてなくて。
「たっくん…?」
「なあに?」
にっこり。
や、やっぱたっくんなのか!?
混乱するあたし。
「そう呼びたいならそれでもいいけど。変なみのりさん」
え、尊なのか?
「尊…?」
「うん?」
尊にしがみついたら尊がぎゅう、して。
「もう…どうしたの、みのりさん?俺は朝からでも全然構わないけど…」
言いながらあたしベッドに倒す。
違うわっ!
「や…あん」
「みのりさん…可愛い」
それは紛れもなくたっくんじゃなくて尊。
朝っぱらから全開のえっち大好きえろ大魔王。
って、結局。全部あたしの。
夢オチかああああああっ!!
思いながら。
まともなご飯が食べられる。
と。ほっとした。
たっくんはあたしの夢の産物やったのかな。
尊がいないとあたしはご飯も食べられんし。
洗濯も出来んし。
もしたっくんがホントにいたら。
たっくんの為に頑張ろう、て思ったのかな。
うむむ。
あたしはなんでも尊任せやし。
それは尊がそうしてるからやけどさ。
あたしの深層心理に尊に悪い、とか。
思ってる気持ちがあるんかな。
ちと反省するか。
よし。した。
「みのりさん、階段気を付けるんだよ」
毎朝言われんでもわかってます。
あら。尊のシャツに糸屑が。
なんかデジャヴな気が。
取ってあげようと手伸ばした。
「なに?みのりさん」
振り返った尊が。
「あっ!うわあっ!!」
転げ落ちた。
「大丈夫っ?」
慌てて降りたら。
「う…いて…」
た、たっくん登場かっ!?
「こ…腰打った…」
たっくんは出現せず。
その代わり腰強打して。
治るまで。えろ大魔王は封印されました。
そして。
「あっ、みのりさん!火強すぎ!まだ水入れないでっ」
動けない尊指導の下。見事に黒焦げの目玉焼きが。
あたしの手によって。
完成した。
ちゃんちゃん。
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