You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう

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そのなな

そのなな-4

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 階段落ちた時頭打ったんで。

念の為MRI受けたらでっかいたんこふだけで異常無かった。

一応他の検査も受けて。

「たっくん、ちゅうしゃなかなかったよ。おとこのこだもん。えらい?」

えらいて言うより怖いわっ。

どうにも外傷らしきものは無いんで、精神科まで受診して。

「頭部に打撲受けた事が原因とみられる記憶障害ですね。カウンセリングの結果、患者さんは今現在5~6歳以降の記憶に障害が出ていると見受けられます」

な、なんですと?

記憶を伝達する機能が正常に働かず。

たっくんになってしまった尊。

しばらくすれば戻るだろう、と言われたものの。

家帰って途方にくれるあたし。

瞳子さんがとりあえず自宅に連れて帰ろう、て言ったけど。

「いやだ!たっくんママといっしょにいるの!」

泣くんで。

尊、いや、たっくんと二人。どうしたもんやら。

「ママあ、ばんごはんなあに?」

ば、晩ご飯だとう!?

冷蔵庫開けてみたけど、みたところであたしに作れる様なもんは無い。

あ、肉ある。なんか高そうな肉やな。

しかし。あたしに作れるもんは。

そうだ、カレーしかない。

じゃがいもやら人参剥いて。なんで元の大きさの半分なるんじゃ。

とにかく材料切って煮込めば良いからな。

なんとかなるさ。

そして無駄に高級肉使ったカレー。

「あついよお。ママ、ふーふーして」

ふーふーしたらあーんして待つたっくん。

怖々スプーン口に入れたら。

もぐもぐして。

「おいしいね、ママ」

にこにこ。

尊があたしにあーんさせても、尊があーんするとか無かったのに。

不気味さに思わず引くあたし。

結局全部食べさせて。

「おなかいっぱい!」

にこにこ。

「ママ、テレビみていい?」

「い、良いよ」

「ママだいすき!」

いっかいあたしにぎゅう、して走ってリビングに行った。

不気味な可愛いさ。

あれの相手当分するのか。疲れそうやな。

いや、それよりも。切実な問題が。

明日から。

ご飯、どしたら良いの!?




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