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そのなな
そのなな
しおりを挟むある日の事。
「みのりさん、おはよう」
朝っぱらから舌入れんなっ。
「朝ご飯、プレーンオムレツにしよかな」
言いながらあたしの着替え出して。
自分も着替える尊。
「お昼ご飯はどうしようかな」
毎朝あたしのお昼ご飯まで作る。
いやね?
あたしだって、尊にばっかやらせてるのもなあ。
とは思ってんだけどさ。
包丁すら持たせてもらえんし。
なにするにも。
「みのりさんっ、危ないから」
そう言ってコンロの火つけるのさえ心配される。
おかげで、キッチンになにがどこにあるのかもわからん。
そんなワケで。
この家で料理をまともにした事は無い。
っても、あたしラーメンくらいしか作れんけどな。
まあ、尊はあたしに自分が作ったもの以外食べさせたくないみたいやし。
おやつも尊作やし。
尊いなくなったらあたし、ご飯食べられんな。
「みのりさん、階段気を付けるんだよ」
毎朝言われんでもわかってます。
あら。尊のシャツに糸屑が。
取ってあげようと手伸ばした。
「なに?みのりさん」
振り返った尊が。
「あっ!うわあっ!!」
転げ落ちた。
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