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そのろく
そのろく-10
しおりを挟む「今日はこれ着ようね」
白いコットンのワンピ。
服着せられる時、手の拘束が外れた。
逃げたろかな。
思ったけど。
世間様にダンナが変態です。
と暴露するのはあまりにも恥ずかしいんで止めた。
あたしの手また拘束して。
「あ、そうだ!」
尊が何事か思い付いたらしく、クローゼットの引き出しあさる。
「可愛い、みのりさん」
あたしの首にはちょうちょ結びのピンクのリボン。
なんだこれ。
「首輪」
なぬ?
「似合うね。本物、今度買ってこようかな。こてつとお揃いにする?」
なんじゃそりゃあっ。
おもっきし首ふって拒否アピール。
「そう?似合うと思うんだけどな」
コイツ。元々変態なんはわかってるけど。
変態度増しとる。
いや、なんか方向性が危ないぞ。いつもならあたしのこと最優先するのに。
今はなおさら、あたしの身体最優先するのに。
なんのタガが外れたのか。
尊の中でなにが爆発してるんだか。
朝ご飯食べて。
ちゅうか、仕事あるんやけどな。
「…ええ、少し調子悪くて。急ぎの仕事とかあるかな、と思って」
どこに電話してるのかと思ったら。
「ありがとうございます。じゃあ一日休養させます」
松本氏に電話してあたしのスケジュール確認しやがった。
「締め切りまで余裕あるからゆっくりして下さいだって。良かったね、みのりさん」
松本めえっ!
「今日一日、みのりさんが俺のものだって事、ゆっくり確認しようね」
一日中ヤるつもりかっ!
さすがにそれは良くないぞっ!!
「愛してるよ。みのりさん」
ソファーで抱っこされて。
キスされながら。
そもそもなにがしたいんや、コイツは。
この変態プレイの意味がわからん。
「みのりさん…」
唇離して真面目な顔する。
「俺がみのりさんの初めての男だったら良かったのに…」
呟いてあたしを見つめる。
ああ、なるほど。
過去の時間にやきもち妬いてどうする。
「みのりさん?」
おでこにキスして頭撫で撫でしてやった。
「もうわかったから」
「みのりさん…」
「あたしの全部は尊のだから。ずっとだから」
尊がにっこりしてもっかいキスした。
「もう…しゃべっちゃダメって言ったでしょ?」
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ソファーに身体寝かせる。
唇が近付いて。
インターフォンがリビングに響いた。
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