50 / 239
そのろく
そのろく-8
しおりを挟む「はい、みのりさん?あーんして」
口開けると尊がスプーン突っ込む。
今日のメニューは和風おろしハンバーグ。
「ご飯も食べて、はい」
あーんしてもぐもぐ。尊の膝の上。
なんせ、両手が拘束されてるもんで。
尊の眼がヤバいと思った瞬間。
逃げた。
逃げましたとも。
自分でもびっくりするくらい、俊敏に尊の脇すり抜け仕事部屋飛び出したあたし。
やられる。
あれは絶対やられる。
「みのりさん!」
ヤツに掴まったら命に関わる。なんつってもあのキレたヤツを目の当たりにした直後やからな。
本気で思った。
逃げたのはいいがわかりきった家ん中。
隠れるとこはどこにも無い。
しかも家は鍵つきの部屋なんか一つも無い。
いや?あった!いっこだけ!
籠城するしかない。必死にそこを目指して走る。
鍵つきの場所、それはトイレ。
「みのりさんっ」
ヤツが追って来る。後少し。
ドアに手を。
「なにしてるの、みのりさん」
かける寸前、掴まった。
「なんで逃げたの?なんか言えない様な事したの?」
「なにもしてないっ」
オマエが怖いからじゃっ。
「…お仕置きされたいのかな?」
されたくないわっ。
恐怖に顔ひきつるあたし。
「赤ちゃんいるのにあんな事出来ないしね」
尊が笑って。
「でもみのりさんは俺のだって事、ちゃんとわからせてあげないとね」
そしてあたしの自由は奪われ。
監禁ごっこが始まりました。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
16
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる