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そのご
そのご-5
しおりを挟む「あーあ、ひでえなあ」
ボロボロの襖見てユウくんが言った。
「ごめんなさい…ごめんなさい」
泣く莉緒ちゃん。
「あたしのせいで…ごめんなさい」
龍二くんが莉緒ちゃんの頭撫でる。
「あたし、アイツのとこ行きます…ご迷惑おかけしました」
「いや、莉緒ちゃん?家なら大丈夫だよ?」
尊に抱き締められたまま言った言葉は届いたのか。
龍二くんが莉緒ちゃん抱き締めてなんか言った。
「あ、なんか俺一人ぼっちい?」
ユウくんが笑った。
冷静なった尊があたしから離れて。
「人ん家めちゃくちゃしやがって」
襖見て言った。て、ほぼアンタがやったんやろ。
「ムカつく!潰す!ついでに弁償させるっ」
怒りを新たにした。
「お前ら行くぞ」
「はい」
「いいんすけどお。服着て下さいよ、尊さん」
どこに行くんや。
「ちょっと行ってくるから」
にっこり。
「帰ってきたら、さっきの続きしようね」
そう言って。
「おら、てめえらいつまで人ん家で寝てんだよっ」
転がってる三人、それぞれ引きずって出てった。
壁に設置してある緊急直通コールボタン。
「こう言う時こそ押すんやないかな」
と、思った。
しばらくして帰って来た尊は。
「家の修理代もらってきた」
「は!?なにこれ!?」
帯ついた現金。
アンタどこでなにしてきたんや!?
「大丈夫。ちゃんと話し合いして向こうから出してきたから。石倉の話もつけてきたから」
え、得体の知れんヤツ。
自分のダンナながら呆れる。
「みのりさん?」
「な、なに」
あたしの首に抱きついて。
「俺、頑張ったでしょ?みのりさん守る為に」
「う、うん」
「続き、しよ?」
力抜けるわ。その為に頑張ったんかい。
まあ、今回はしょうがないか。
「俺らもう寝るから。お前ら適当にしろ」
あたし抱き上げて龍二くん達に言った。
龍二くんと莉緒ちゃんは。
ちょっと赤くなって、困った様に笑って。
「おやすみなさい」
言った。
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