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そのご
そのご
しおりを挟む「いいっ!みのりさん!変なヤツ来たらここ押すんだよっ!」
わかっとるがな。
「石倉!わかったなっ!」
「はいっ!」
緊急直通コールボタンの前に並ばされる。
あたし、龍二くん、莉緒ちゃん。
なんの朝礼や。
尊筆頭に玄関向かう一行。
「じゃあね、行ってくるからね」
「行ってらっしゃい!」
あたしの後ろから元気に声出す二人。
「みのりさん」
あたしの頭固定。
止めんかっ!後輩の前でっ!
「うわっ!」
莉緒ちゃんのびっくりする声。
自分が心ゆくまでキスして。
「行ってきます」
やっと会社行った。
振り返ると。
二人あらぬ方向に眼泳がせて。
あたしと眼合わせてくれん。
「は…はは」
笑うしか無いあたし。
「ら…らぶらぶ…ですね」
莉緒ちゃんがもごもご。
無言の龍二くん。
まったく。ヤツには恥ずかしいとか言う感情ないんかな。
それとも龍二くんだから平気なんかな。
「はは…は。あたし仕事あるから」
気まずすぎるんで仕事部屋逃げ込む。
実のところ。忙しいのだ。
休載期間をなるべく短くする為に、書き貯めとかないといけない。
「みのりさん、俺ら出かけてきます」
龍二くんが言いにきた。そう言えば弁護士さんとこ行くんだっけか。
「あたしの車使って良いよ」
「あ、すみません。使わせて頂きます」
二人が出かけて。
静かな家ん中。
おや、新しい仕事の依頼メール。
仕事増やすと尊が嫌がるからな。
ふむ?なんと。
妊娠出産育児のエッセイとな。
ううむ。スケジュールきついからな。
エッセイても、締切あるしな。
しかし。妊娠出産はあたしがやるとして。当たり前や。
育児は尊がどうせ事細かに手出すに決まってる。
娘に。
ぱぱだいすき!
て言われたいらしいからな。
子供産まれたら。尊はなんでもやっちゃうだろうし。
子供べったりなるかな。
そうしたらあたし。
いらなくなるんかな。
そうなったら。寂しい、かな。
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