36 / 240
そのよん
そのよん-10
しおりを挟むさて。
休日はいつもならお出かけやけど。
莉緒ちゃんがいるしな。
後で龍二くんも来るらしいし。
「じゃあ、おやつになんか作ろうかな。みのりさんなにがいい?」
「アールグレイのシフォン」
いそいそとケーキ作り始める尊。
「み、水原先輩が…ケ、ケーキ作り…」
呆然とする莉緒ちゃん。
「あはは、そんなにイメージ違うのかな」
「全然違いますよ…あの怖い人が…ご飯作ったりケーキ焼いたり…」
ほお。尊ってそんな怖い人やったんか。
確かに。怒ると怖いけどな。
「だから兵藤くんも最初は怖い人なんだろうなあ、って…」
おや。恋ばなか。
よしよし。ここは一つこのみのりさんが。
て、世話焼きババアか、あたしゃ。
「おい、お前。紅茶淹れられっか?」
「あっ、はいっ!」
ケーキが焼き上がったらしい。
「ふうん。案外ちゃんと出来んじゃねえか。あ、みのりさんはタンポポコーヒーだからな」
「はいっ!」
そしてティータイム。
「たっ…尊さんが…ケーキ…」
やって来た龍二くんが呆然。
「あ、龍二くんもどうぞ」
「はあ…」
莉緒ちゃんが慌てて龍二くんの紅茶淹れる。
「う…旨いすね」
龍二くん苦笑い。
この何日かで尊のイメージ総崩れやろな。
「みのりさん、いっぱい食べて?」
あーん、は止めれ。
いくらなんでも恥ずかしいわっ。
「はい、みのりさん」
「一人で食べれるし」
「いいから。はい、あーんして」
仕方なしにあーん。
もぐもぐしながら対面の二人見ると。
二人とも赤くなってうつ向いとる。
い。いい加減恥ずかしいな。
「みのりさん」
尊があたしの顎持って。
「ひゃっ!」
莉緒ちゃんが真っ赤なる。
「クリームついてるよ」
尊があたしの唇の端っこ。
ぺろ。
「……!!」
さすがの龍二くんも真っ赤なる。
って!
恥ずかしいやろっ!!!!
1
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる