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そのよん

そのよん-10

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さて。

休日はいつもならお出かけやけど。

莉緒ちゃんがいるしな。

後で龍二くんも来るらしいし。

「じゃあ、おやつになんか作ろうかな。みのりさんなにがいい?」

「アールグレイのシフォン」

いそいそとケーキ作り始める尊。

「み、水原先輩が…ケ、ケーキ作り…」

呆然とする莉緒ちゃん。

「あはは、そんなにイメージ違うのかな」

「全然違いますよ…あの怖い人が…ご飯作ったりケーキ焼いたり…」

ほお。尊ってそんな怖い人やったんか。

確かに。怒ると怖いけどな。

「だから兵藤くんも最初は怖い人なんだろうなあ、って…」

おや。恋ばなか。

よしよし。ここは一つこのみのりさんが。

て、世話焼きババアか、あたしゃ。

「おい、お前。紅茶淹れられっか?」

「あっ、はいっ!」

ケーキが焼き上がったらしい。

「ふうん。案外ちゃんと出来んじゃねえか。あ、みのりさんはタンポポコーヒーだからな」

「はいっ!」

そしてティータイム。

「たっ…尊さんが…ケーキ…」

やって来た龍二くんが呆然。

「あ、龍二くんもどうぞ」

「はあ…」

莉緒ちゃんが慌てて龍二くんの紅茶淹れる。

「う…旨いすね」

龍二くん苦笑い。

この何日かで尊のイメージ総崩れやろな。

「みのりさん、いっぱい食べて?」

あーん、は止めれ。

いくらなんでも恥ずかしいわっ。

「はい、みのりさん」

「一人で食べれるし」

「いいから。はい、あーんして」

仕方なしにあーん。

もぐもぐしながら対面の二人見ると。

二人とも赤くなってうつ向いとる。

い。いい加減恥ずかしいな。

「みのりさん」

尊があたしの顎持って。

「ひゃっ!」

莉緒ちゃんが真っ赤なる。

「クリームついてるよ」

尊があたしの唇の端っこ。

ぺろ。

「……!!」

さすがの龍二くんも真っ赤なる。

って!

恥ずかしいやろっ!!!!




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