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You Could Be Mine
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しおりを挟むその日は日曜で夕方から客のアポ入れてた。
昼起きて。
みのりさんの新しい本が出てるはずだから本屋行って。
新刊のとこに置いてある。
朔陽 天海瞬。
またタイトルからして読めねえや。
みのりさんの本、漢字多いんだよな。漢字携帯でいちいち調べながら読んでるけど。
相変わらずあんまわかんねえ。
もうちょっと真面目に勉強しときゃ良かったな。
ついでに雑誌買おうと思って雑誌の棚んとこ行ったら。
週刊誌の表紙に。
桂木冬馬熱愛!?
はあ?
なんだよ。桂木のヤツ。
みのりさんの事好きだとか言ったくせに。
なにしてんだよ。
手に取って見たら。
女と歩いてる写真。
みのりさん。
記事の方にも。
相手は作家の天海瞬。
って出てる。
なんか。なんもする気なんなくなって。
家帰って。
体調悪いってアポキャンセルして。
打ちのめされる。
ってこう言う気分なのかな。
桂木のヤツは嫌なヤロウだったけど。
俳優として評価されてる。
アイツもみのりさんの事ずっと好きなんだろな。
みのりさん大事にしてんだろな。
みのりさんはもう。
アイツのもんになっちゃったのかな。
嫌だな。
みのりさんが他の男のもんになるなんて嫌だな。
なんて。
今更そんな事思ったって。
いつかは。
こんな日が。
わかってた事。
みのりさんは立派な小説家なって。そんで。
みんなが認めてくれるような明るい道を歩いて。
いつか誰かと結婚して幸せになって。
俺はそう思ったから。
桂木のヤロウは多分。
みのりさんの事、幸せにしてくれるよな。
だから。
みのりさんが幸せなら俺は。
「…みのりさん」
会いたい。
ちょっとだけでも。
みのりさんが他の誰かのもんでも。
我儘だな。
でも会いたい。
俺がまともな胸張って言えるような仕事して。
ちゃんと社会人して。
今更みのりさんを取り戻したいんじゃないけど。
そんな事出来るワケないけど。
立派な小説家のみのりさんといつかどこかで会えた時。そんな事がもしあった時に。
ちゃんとみのりさんに見合う男として。
会いたい。
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