You Could Be Mine 【改訂版】

You Could Be Mine

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「尊さん、家つきましたよ。鍵出して下さい」

「んー…」

龍二がドア開ける。

「靴脱いで下さい」

そのままベッドになだれ込む。

「服脱いで、スーツで寝ないで下さい」

龍二がそう言いながら俺の服脱がす。

「尊さん、飲み過ぎっすよ」

うるせえな。

飲まねえと寝れねえんだよ。

「鍵ポスト入れときますから」

毎日。こんな感じ。

酒飲んでぐだぐだ。

早く寝よ。

眠るとみのりさんに会えるから。

ああ。シフォンのワンピ。

一緒に初めてランチした時だ。

バッグあげたら。

「もらえないよっ」

って言って。

可愛いな。

「尊」

俺を呼ぶ。

なんでいつもこんなに可愛いんだろ。

「みのりさん」

呼んだら。

「なに」

俺の拡げた脚の間、ちょこんと座って。

振り向きながら俺を見上げる顔。

可愛くてたまんない。

だから抱き締めたくて。

触りたくて。

「みのりさん…」

抱き締めてキスしたら。

俺の腕の中のみのりさんは。

少し恥ずかしそうに笑う。

あんまり可愛いから。

いっぱい髪撫でて。

サラサラの髪、気持ちいいんだ。

「みのりさん…」

ずっと髪撫でて。

眼が覚めたら。

俺は一人。

空っぽの腕の中。

また泣きながら眼、覚めた。

俺はもうずっとこんな調子で過ごして。

でも。

みのりさんに悲しい思いさせたんだから。

みのりさんを傷つけたから。

俺はその分背負ってく。

それでいいんだ。

クローゼットに並べた本。

なんとなくぶらついてた本屋の新刊コーナーで。

天海瞬。

って見つけて。

単行本は探したら他に二冊あった。

後、連載が載ってる文芸誌。

全部まとめて買った。

読んでみたら難しくて。

みのりさんがなに書いてんだか全然わかんねえんだけど。

こんな難しい事書ける様なすげえひとだから、やっぱ俺なんかと一緒いちゃダメだったんだって。

改めて思うけど。

みのりさんの本読んだらみのりさんが近くにいる気がして。

難しいけどちょっとずつ。

読んでる。