You Could Be Mine 【改訂版】

てらだりょう

文字の大きさ
上 下
129 / 160
You Could Be Mine

-11-

しおりを挟む

眠らないまま朝になって。

俺の腕の中で小さな寝息。

まだ眠ってるみのりさん。

寝顔だって数えきれねえほど見た。

もう二度と見れないんだな。

みのりさん起こさない様にベッドから出た。

ベッドの下のみのりさんの服。

綺麗に畳み直す。

シャワー頭から浴びながら。

まだ涙出る。

しっかりしろよ。

自分で決めたことだろ。

俺のみのりさんが、幸せな道をいけるように。

みのりさんを泣かせたくねえけど。

でも。

出来るだけ。

出来るだけみのりさんが俺の事嫌いになる様に。

二度と会いたくないって思うくらいに。

だから。

しっかりしろよ。

風呂出たらみのりさんが起きてて。

「おはよ。早いね」

可愛い声で。

ああ。

もうこの声も聞けなくなるんだな。

苦しくて。すんげえ苦しくて。

泣きそうだけど。

「ウチの鍵、返して」

みのりさんの。

びっくりした顔。

ごめんね。そんな顔させて。

「もう飽きちゃった」

思い付く限り最低な事言わなきゃ。

「俺勘違いしてたんだよ」

壁に手ついて。

強張ったみのりさんの顔。

ごめんね。そんな顔させてしまって。

「みのりさんが好きってのも。勘違い」

心臓が壊れそうなくらい苦しい。

「最後に一回ヤっとこうかな。みのりさんの身体俺が開発したみたいなもんだし」

最低。

みのりさんが俺から逃げた。

俺に鍵投げつける。

お願い。

嫌いになって。

俺の事なんか嫌いになって。

二度と会いたくないって。

思うほど嫌いになって。

俺から逃げたみのりさんは。

急いで靴履いて。

その背中に。

「ヤりたくなったら相手してやるよ」

ドアが閉まって。

走ってく靴音が遠くなる。

「はあ……」

壁に寄っ掛かってため息ついたら一緒に涙出てきた。

ごめんね。ごめんね。

ごめんね。みのりさん。

立ってらんなくてしゃがみ込む。

ごめんね。みのりさん。

「うっ…みのりさん…っ」

涙止まんなくて。

眼にあてたタオル握り締めて。

「…みのりさんっ…」

男のくせに。

声出して。

泣いた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...